伊藤万理華、ドラマ『日常の絶景』の主人公との共通点 趣味は鉱石集め 「感性似ている」

俳優・伊藤万理華(27)が、テレビ東京ほかドラマチューズ!『日常の絶景』(毎週火曜深夜24時30分~)に主演している。日々仕事に励む女性2人が“日常の絶景”めぐりをする物語。伊藤にとっての絶景とは?

『日常の絶景』で主演を務める伊藤万理華【写真:(C)「日常の絶景」製作委員会】
『日常の絶景』で主演を務める伊藤万理華【写真:(C)「日常の絶景」製作委員会】

“日常の絶景”めぐりが趣味である町村景を演じる

 俳優・伊藤万理華(27)が、テレビ東京ほかドラマチューズ!『日常の絶景』(毎週火曜深夜24時30分~)に主演している。日々仕事に励む女性2人が“日常の絶景”めぐりをする物語。伊藤にとっての絶景とは?(取材・文=平辻哲也)

 映画『サマーフィルムにのって』『もっと超越した所へ。』、ドラマ『お耳に合いましたら。』『旅するサンドイッチ』(ともにテレビ東京)、舞台『宝飾時計』ほか数々の話題作に出演し、自身の個展を開くなどクリエイターとしても活躍する伊藤。本作で描かれるのは、ささいな日常の中にある絶景だ。

 ドラマは、室外機やダクト、通信鉄塔、消波ブロック、ダムなど都市を作り出すピースたちへの新たな見方を示した『日常の絶景 知ってる街の、知らない見方』(八馬智、学芸出版社)の世界観をベースに、2人の女性(伊藤、石山蓮華)が”日常の絶景“をめぐることで、距離を縮めながら、その風景に癒され元気をもらう姿を描く。

「この原案の内容をどうドラマ化するのだろうと思いました。企画を立てたプロデューサーさんとこの作品を映像化する意味やビジョンについて話し合い、今の社会で生きる人々の見失っている『視点』を大切にした作品だと感じました」

 演じるのは、キャンプ商品メーカーの総務部で真面目に働き、“日常の絶景”めぐりが趣味である町村景。

「町村さんは、会社での自分とプライベートでの自分との間に大きなギャップがある人で、彼女は自分の趣味を誰とも共有せずに楽しんでいる感じがします。それは心の安定ももちろんですが、ただ単に好きだからやっている。誰かにその趣味について語り合ったり共有したりすることを、どこかで望んでいるようにも思えます」

 主人公・町村の感性には自身と重なる部分もあるという。伊藤の趣味は鉱石集め。

「持っている鉱石は20~30個くらい。大量に持っているわけではないんです。表面がゴツゴツしていたり、錆びているような普通の岩を割るとキラキラしたものが出てくる感じが、まるで宝箱を開けたみたいで神秘的です。ダクトや朽ちた看板など、日常の中でふと目に留まるものに対しての感性や興味は似ています。私もそういったものを見ると、写真に収めたくなってしまいます。」

 絶景めぐりのパートナーとなるのは、会社の花形、企画部のエース、想田ひとみ。親友というわけではないが、同じ趣味を持つことから次第に打ち解けていく。電線への造詣の深さから「電線アンバサダー」に就任、TBSラジオ『こねくと』メインパーソナリティーを務めるほか、文筆家、俳優と多面的な才能を発揮する石山蓮華(30)が務めた。

「町村さんにとって、想田さんは新しい世界を開いてくれる人だったと思います。私個人にとっても、蓮華さんとの出会いは大きかったです。今はラジオがメインと伺っていますが非常に魅力的な方なので、もっと映像でも一緒にお仕事をできたらうれしいです」

 プライベートでもLINEを交換し、特別な距離感を感じているという。

「蓮華さんの関係性は町村さんと想田さんのようでもありました。『はじめまして』の状態から撮影しながら、だんだんと距離を縮めていきました。五感を共有できる場所でのロケが特に印象的で、同じ感性を共有できる人だと感じました。電線愛好家としての視点は本当にユニークで、私も電線を見ると『蓮華さんに見せたい』と思います」

 劇中には数々の絶景が登場するが、特に印象に残ったのは、第1話に登場するガントリークレーン。港の岸壁に建つレール上を移動可能な構造を持つ門型の大型クレーンで、日中、夕焼けの下で違った表情を見せる。「普段は気に留めずに通り過ぎるようなものですが、その迫力や美しさに感動しました」。

 伊藤が大切にしているのは、調和。

「たとえば建物や石やコケのように人工物と植物が一緒になって、それが当たり前のように存在していること。日常生活の中で、ケータイを見る代わりに周りの景色へ目を向けると、これまで気づかなかった美しいものに出会えると思います。それは習慣や見る角度によるもので、今回の撮影を通じてもっと日常を大切に見ていきたいと感じました」。伊藤にとっても、さまざまな「日常」の気づきがあったようだ。

□伊藤万理華(いとう・まりか)1996年2月20日大阪府出身。2011年から乃木坂46一期生メンバーとして活動し、17年に同グループを卒業。現在は俳優としてCM・ドラマ・映画・舞台に出演する一方、PARCO展「伊藤万理華の脳内博覧会」(17)、「HOMESICK」(20)、「LIKEA」(’22)を開催するなどクリエイターとしての才能を発揮。初主演映画『サマーフィルムにのって』(’21/松本壮史監督)ではTAMA 映画賞にて最優秀新進女優賞を受賞、第31回日本映画批評家大賞にて新人女優賞を受賞。代表作にTVドラマ「お耳に合いましたら。」(21/テレビ東京)、舞台『宝飾時計』(23)、Vaundy MV『そんなbitterな話』(23)など。

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