俳優・大森南朋が9日、NHKの大河ドラマ『どうする家康』（日曜午後8時）で演じる酒井忠次のゆかりの地・山形県鶴岡市でトークショーを行った。同イベントは、大森が演じる徳川家臣団の筆頭・酒井忠次の孫が、約400年前に庄内藩の初代藩主となったことから企画された。鶴岡市は庄内藩の城下町だった場所。イベントで大森は家康役の松本潤をはじめとする共演者とのエピソードや今後の見どころなどを約850人の観客を前に紹介した。

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　大森はまず松重豊が演じる石川数正出奔後の撮影について紹介。

「長い撮影の中で、家臣団の結束が強くなっていた中、石川数正への思いなのか撮影が終わってしまう松重さんを思ってなのか、とにかく演じていて相当つらかったです。数正がいなくなりバランス的にさみしいと思っているのか、松重さんがいなくてさみしいのかさまざまなことを思うようになりました」

　会場では殿こと松本潤からのスペシャルビデオメッセージも公開。2人で行うというコッソリ練習こと「コソ練」についても紹介した。

「たてこんでくると、セリフを覚える時間がない。そんなとき相手がいた方が自分の中に(セリフを)取り込みやすいんです。自分はそういうタイプだったので松本くんにも『大変だったら一緒にやるよ』と声をかけました。歴史の解釈や感情の入れ方などを細かく話し合いました。一回、秀吉が、ムロくんがきちゃったこともありました(笑)」

　忠次が劇中で何度も披露するえびすくいにも言及。

「初回のえびすくいが印象深いです。あれがあって家臣団の雰囲気が変わりました。忠次のその後を少し感じさせることもできたと思います。そもそも自分には踊りの素養がまったくないんです。撮影前に練習していた映像を見て『ああ、あのころの自分、頑張ってたな』と思いますが。殿(松本潤さん)がきれいに踊る回をみて『ああ、えびすくいってこう踊るんだなって思いました(笑)』。このあとの放送でも踊る？　みたいですよ。みなさん、えびすくいは、汗びっしょりになるんです。もう役では60代ですから、キレのないえびすくいになってきますよ」

　今後の忠次についても紹介。

「底抜けに自分を明るく見せて家臣団を納得させていく、そんな忠次役をやっていきたい。子孫の方々に失礼のないようにやさしく明るい忠次を演じていきたいです」

　大森はイベントの開演前、現在も鶴岡市に居住する酒井家当主らとゆかりの地を訪れ、忠次所有と伝わる刀や、徳川十六将図などを見学。また忠次も眠る酒井家墓所（現在は非公開）を訪れた。

「現在も続く酒井家の方々と会うことができました。台本に書かれていた印象、自分で演じていた印象と実際の酒井家の方々がとても合っていました。笑顔のすてきな温かい人柄で、点と点が今日、結びついたような一日でした」