初ラブコメ作品でロングヘアを20cmカット 岡本玲の苦悩「引退を考えたこともあった」

俳優の岡本玲と6人組グループ、7ORDERで俳優の長妻怜央がダブル主演するTOKYO MX(東京エリア・地上波9ch)の連続ドラマ『その結婚、正気ですか?』(月曜午後10時)でラブコメディーに初挑戦する。「30歳を過ぎて、ラブコメ作品のオファーが来るなんて!」と驚く岡本に、ロングヘアを20センチカットして臨んだドラマの見どころや、自身の結婚観、相思相愛の猫との暮らしについて聞いた。

ラブコメディーに初挑戦する俳優の岡本玲【写真:徳原隆元】
ラブコメディーに初挑戦する俳優の岡本玲【写真:徳原隆元】

20代のときにはあった「結婚願望」

 俳優の岡本玲と6人組グループ、7ORDERで俳優の長妻怜央がダブル主演するTOKYO MX(東京エリア・地上波9ch)の連続ドラマ『その結婚、正気ですか?』(月曜午後10時)でラブコメディーに初挑戦する。「30歳を過ぎて、ラブコメ作品のオファーが来るなんて!」と驚く岡本に、ロングヘアを20センチカットして臨んだドラマの見どころや、自身の結婚観、相思相愛の猫との暮らしについて聞いた。(取材・文=西村綾乃)

 岡本演じる篠原奏音は、ズボラなアラサー女子。それなりに恋愛経験はあるけれど、ゴールインには程遠く。アッという間に30代半ば。“普通”の結婚相手を見つける難しさに直面している。

「ずっとやってみたかったコメディー。30歳を過ぎてからオファーをいただけると思っていなかったので『やっとできる!』という思いです。演じる奏音は恋や結婚に憧れるけれど、色々な事情もあって行動が追い付かない。私も周囲にいる同世代が結婚をしだしたので、奏音の焦る気持ちは何となく、分かるんです」

 6月に32歳になったばかり。演じる奏音のように「理想」とする相手象はあるのだろうか。

「20代のときは、恋人に対して『あなたが私を幸せにして』と思っていましたが、今は『私があなたを笑顔にしてあげたい』と思うようになりました。外に出れば、男性も女性も戦士のように闘うこともある。目指す景色が違っても同じ標高にいられるような、リスペクトし合える同志のような関係がいいなと価値観が変わりました。好きなものが同じよりも、ダメだなと感じることが同じ人の方が居心地がいいですね」

 30歳を過ぎ、現在はどのような人生設計を描いているのだろうか。

「若いときはあったんです。結婚願望。でも自分で自分の機嫌を取れるようになった今は、1人でいる気楽さが勝ってしまうんですよね。機嫌がいいと人って周囲に優しくできるものじゃないですか。それが分かってきて、ますます1人が楽だって。あと、役者は“孤独”があった方がいいとも感じるんです。

 2月に公開された映画『茶飲友達』(外山文治監督)では、高齢者専門のコールガールクラブを設立し、高齢者の孤独に寄り添いながら、自身も心に寂しさを抱えた女性・マナを演じた。

「物語は孤独から始まることが多いと思うんです。役者って特殊な職業で、寂しい、悲しいなど感じた痛みや孤独を芝居に昇華することができるんですよね。そうすると自分が感じた孤独が、孤独じゃなくなっていくんです」

 2歳上の姉が手にしていたティーン誌「ニコラ」のオーディションでグランプリを手にしたことをきっかけに、2003年に同誌の専属モデルとして芸能界入り。中学1年生のとき周囲にいたモデルとの身長差に気付き、役者へとシフト。芸能界に数々の卒業生を輩出する日本大学藝術学部映画学科で学んだ。

「何ができるのか模索していく中で、引退を考えたこともありました。孤独で胸が破裂しそうなほど悲しかったり、消えちゃいたいなと思ったこともあったけれど、お芝居を1番に考えて生きているので、いい芝居をするためには孤独であることも必要と受け止めています。演じてきた作品でも、孤独を抱えた役で評価をしていただくことが多くあり、持ち味なのかなと。ようやく孤独を個性として、飼いならすことができるようになりました」

 演者としてはもちろん、舞台を企画プロデュースするなど多彩に活躍している。表現の幅を広げ続ける岡本が心を許せる存在が、マンチカンの「とろろ」と、元保護猫の「おかか」(種別不明)だ。

「何をしても許してあげることができる存在ができて、豊かになりました。いたずらをしてしかるときもあるけれど、その度に彼女たちと絆が深まるように感じています。仕事で疲れて帰ったとき出迎えてくれたり、ソファでぐたっとしている日は寄り添ってくれたり、愛をたくさんもらっています」

 新作ドラマで、初コメディーに挑戦した岡本。「30歳でラブコメなんてできるのかなと思っていたけれど、いくつになっても、挑戦はできるんだと改めて感じました。恋愛や結婚に二の足を踏んでしまいそうな人は、新しいチャレンジと思って飛び込んでみたら、見たことがない景色が見えるかもしれない。このドラマが、そんな一歩を踏み出すきっかけになってくれたらうれしいです」

 放送は8月7日から。SARD UNDERGROUNDのオープニング主題歌「その結婚、正気ですか?」、長妻が作詞・作曲を手掛けたエンディング主題歌「シンデレラストーリー」もそれぞれ同日にデジタルリリースされる。

□岡本玲(おかもと・れい)1991年6月18日、和歌山県生まれ。第7回雑誌「ニコラ」専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、デビュー。ドラマ・映画・CM・舞台などで活躍。主な舞台出演作に、『熱帯樹』(三島由紀夫作・小川絵梨子演出)、『ブレイキング・ザ・コード』(稲葉賀恵演出)など。2020年には二人芝居『ダニーと紺碧の海』を自身による企画プロデュースで上演するなど多彩に活躍している。現在、主演を務める映画『茶飲友達』がミニシアターを中心に全国拡大上映中。

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