「多額の現金をお持ちのお客さま!!」 駅員発案の“不穏すぎる”注意書きで詐欺被害がゼロに

「注意 多額の現金をお持ちで、息子さんやお孫さんと、大森海岸駅でお待ち合わせのお客さま!! 伝言がございますので、駅事務室へお越しいただき、駅係員にお声掛けください!」。京急電鉄大森海岸駅に掲示された注意書きが、ネット上で「不穏すぎる」と話題を呼んでいる。注意書きを設置した経緯について、京急電鉄に聞いた。

注意書きが設置されている京急線の大森海岸駅【写真:写真AC】
注意書きが設置されている京急線の大森海岸駅【写真:写真AC】

京急電鉄大森海岸駅に掲示された注意書きが、ネット上で「不穏すぎる」と話題に

「注意 多額の現金をお持ちで、息子さんやお孫さんと、大森海岸駅でお待ち合わせのお客さま!! 伝言がございますので、駅事務室へお越しいただき、駅係員にお声掛けください!」。京急電鉄大森海岸駅に掲示された注意書きが、ネット上で「不穏すぎる」と話題を呼んでいる。注意書きを設置した経緯について、京急電鉄に聞いた。

 ネット上で拡散している注意書きについて、京急電鉄の担当者は「大森海岸駅のもので間違いありません」と回答。

 注意書き設置の経緯については「2021年に特殊詐欺事件が頻繁に発生しており、同時期に当社線の北品川駅前が受け渡し場所に設定されていたようで、これに関する当該駅の駅係員による抑止事実が数件ありました。当時管轄する高輪警察署より何度か感謝状も受領しており、この案件の防止策として、21年6月9日から当該駅の駅係員が自主的に駅構内などに注意文を掲出し周知を図っております」と説明。もともとは北品川駅で駅員が自主的に始めたものだという。

 その後、特殊詐欺事件への防止対策として、近隣の大井警察から管轄する最寄り駅に同様の注意文を掲出するよう依頼があったといい、関係駅長などと連携を取り、鮫洲駅・立会川駅・大森海岸駅の3駅で21年7月2日から駅長と大井警察署長の連名で注意書きを掲出。

 注意喚起の効果について、担当者は「23年7月9日に平和島駅から大井警察署へ電話にて確認していただきましたが、掲出開始から現在まで特殊詐欺に関する報告は受けていないとの事で、逆に取ればこの注意文が効力を発していると解釈できる、との回答を得ました」と話している。

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