「女優・柳英里紗」から「映画監督・柳英里紗」へ…自ら製作費を投じて挑戦した理由

女優の柳英里紗(29)は幼い時からモデルやCMで活躍し、中野量太監督の「チチを撮りに」(2013)や冨永昌敬監督「ローリング」(2015)などでヒロインを務める実力派だ。これまでの湯布院映画祭では、上記の2作で出演女優として参加したが、今年は、自身初の監督作の短編「VERY FANCY」(2018)と2作目「COSMIC BLUE」(2019)を引っさげ、3度目の参加を果たした。柳が映画監督に挑戦した理由とは?

柳英里紗監督
柳英里紗監督

初の監督作の短編「VERY FANCY」、2作目「COSMIC BLUE」で湯布院映画祭に参加

 女優の柳英里紗(29)は幼い時からモデルやCMで活躍し、中野量太監督の「チチを撮りに」(2013)や冨永昌敬監督「ローリング」(2015)などでヒロインを務める実力派だ。これまでの湯布院映画祭では、上記の2作で出演女優として参加したが、今年は、自身初の監督作の短編「VERY FANCY」(2018)と2作目「COSMIC BLUE」(2019)を引っさげ、3度目の参加を果たした。柳が映画監督に挑戦した理由とは?

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「VERY FANCY」(30分)は柳が自ら製作費を投じて、脚本・監督・出演・編集を手掛けた自主映画。「女優・柳英里紗」が女優仲間に「私、映画で死ぬ役ばかりなの。だから、たまには最後まで生きていたいんだよね」と言って、自身の初監督を企画していることを打ち明けることから始まる。「柳英里紗」がキャスティングしたのは空美(くみ)ら同年代の女優たち。「映画監督・柳英里紗」は、自分が「カワイイ」と感じる女優たちの物語を紡いでいくのだが……。映画は現実と虚構の世界を行き交いながら、スリリングに展開し、柳監督にしか描けない世界観を見せる。

「VERY FANCY」
「VERY FANCY」

 子役時代から長いキャリアを持つ柳は昔から映画を撮ってみたいという欲求があったという。「大勢の女の子と付き合ってみたい、という思いがあって、自分を幸せにするために撮りました。映画は私を幸せにできる場所なんですが、ちょうどその頃、死ぬ役が多くかったんですが、死ぬ役を演じるのは結構、しんどいんです。かわいい役をやっている時に死んじゃうのは、自分でも『かわいそうだな』と思って、自分で監督をしてみました」と明かす。

 きっかけは2018年7月、名古屋にある映画館「シネマスコーレ」で柳英里紗映画祭と題する特集が組まれたこと。「私が昔、出演した映画にスポットと当てて、上映してくれたですけども、その中なら、私が撮った映画を上映できるんじゃないかなと思ったんです」。昔から物語を紡ぐことが好きだった。「女の人が主役の映画が好きで、特に、加賀まりこさんの『月曜日のユカ』(1964/中平康監督)が好きです。もし自分が映画を撮るのだったら、ということで、脚本をたくさん書き留めていました。そんな物語の主人公たちを全部持ってきて、一つ一つ短い作り話にした感じです。最初にキャスティングして、それから物語を当てはめていきました」

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