明石家さんま再現VTRの台本にセリフなし 57歳ほいけんた「思考回路もインプットされています」

明石家さんまのものまねで知られるタレントほいけんた(57)が、再ブレークしている。フジテレビ系『鬼レンチャン』(日曜午後7時、もしくは8時)でのカラオケ歌唱、TBS系『ララLIFE』(金曜午後11時30分)では地声でナレーション担当するなど、活動の幅を広げている。芸歴40年。アクション俳優、マジック、バルーンアート、パントマイム、歌など多彩な芸を披露してきたが、「全ての原点はものまね」と話している。

出っ歯を付けるとすぐに“明石家さんま”のスイッチが入る【写真:荒川祐史】
出っ歯を付けるとすぐに“明石家さんま”のスイッチが入る【写真:荒川祐史】

芸歴40年でアクション俳優、マジック、バルーンアート、パントマイム、歌、ものまね

 明石家さんまのものまねで知られるタレントほいけんた(57)が、再ブレークしている。フジテレビ系『鬼レンチャン』(日曜午後7時、もしくは8時)でのカラオケ歌唱、TBS系『ララLIFE』(金曜午後11時30分)では地声でナレーション担当するなど、活動の幅を広げている。芸歴40年。アクション俳優、マジック、バルーンアート、パントマイム、歌など多彩な芸を披露してきたが、「全ての原点はものまね」と話している。(取材・文=福嶋剛)

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 ほいは20代の頃、ストリップ劇場やショーパブで芸を磨いていた。そんな30年前、1993年のある日、楽屋の鏡の前で出っ歯を付けた自分の顔がさんまに似ていることに気付いたという。

「誰からも『さんまさんに似ている』と言われたことはなかったのですが、『これは面白い』と思って、さんまさんが司会をやっていた(フジテレビ系)『発表!日本ものまね大賞』のオーディションに応募しました。スタッフからは『さんまさんのまねする人は初めて』と言われ、オーディションは合格、テレビでご本人と共演、すっごい受けたんです。でも、顔まねだけだったので、『声もまねできないとダメだ』と思い、さんまさんの出演する番組をチェックして完ぺきに演じようと思いました」

 俳優出身のほいにとっては、それが「役作り」だったという。

「何年も欠かさず、毎日のようにさんまさんのテレビやラジオをチェックしていると、自然にさんまさんの思考回路もインプットされて、どんな風に行動するのか、どのタイミングで何を話すのかが分かってきて、さんまさんの役作りが完成しました」

『発表!日本ものまね大賞』から16年後の2009年、出演したフジテレビ系『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』では、顔まねに加えて完ぺきな声まねを披露。以降、ほいのものまねは、さんま公認となった。

「僕は『さんまさんのファンにも認められたい』と思ってやってきました。なので、さんまさんのしゃべり(のまね)を認めてもらったことは何よりうれしかったです」

 だが、さんまからは「愛あるダメ出し」を受けているという。

「さんまさんの舞台があると終演後、楽屋にごあいさつに行くんですが、さんまさんは必ず『よっ! さんまちゃん』と呼んでくださいます。最初の頃、さんまさんから『お前、今日のあのシーンはどうやった?』と聞かれたので、『とても良かったです』と敬意を持って答えたら、どうも正解ではなく、『ボケろ』という意味だったようで、それ以来、同じような質問をされたら、『チーズケーキに例えたら……無理や!』とか、その場でさんまさんになってボケるんです。すると、さんまさんが『あそこの場面で俺がこう言うとったやろ? お前、今度ちゃんとそれやっとけよ』ってアドバイスをもらえるんです。さんまさんの楽屋は笑いの戦場です(笑)。でも、本気で尊敬する人なので、さんまさんとの距離が近くなり過ぎないように気を付けています」

「さんまさんのファンに認められたいと思ってやってきました」【写真:荒川祐史】
「さんまさんのファンに認められたいと思ってやってきました」【写真:荒川祐史】

役者出身のマインド「ものまねは演じること、全エンターテイメントの原点」

 さんま再現VTRで出演する際も、心掛けていることがある。

「僕はもともと役者なので、ものまねではなく“さんまさん役”を演じています。台本には台詞とシチュエーションだけが書いてあって、スタッフさんには『あとはお任せ』と言われています。演じてみて、面白ければスタジオのさんまさんは笑顔ですし、そうじゃなければ渋い顔をされます。だから毎回、『必ず面白くしなければ』という使命感は強いですね」

 プレッシャーはあるが、さんま役は大きなやりがいになっている。

「僕は10代、20代の頃、俳優として仕事をしましたが、ほとんどエキストラに毛が生えた程度の仕事でした。そこで分かったことは、1行のセリフ、5秒のアップをもらうための大変さです。何十年と俳優を続けてもそこまで達しない人が多い中で、再現VTRで“明石家さんま”という主役を演じることができたこと。これは僕にとっての夢でした」

 ほいにとって、ものまねとは「演じること」。と同時に「原点」になっているという。

「今まで、役者やものまね以外にマジックやジャグリング、バルーンアート、パントマイムなど、いろいろと挑戦してきましたが、どれもお手本を真似することから始まっています。4月からスタートした『ララLIFE』で初めてものまねなしの素の声でナレーションを担当していますが、自分の声でさえ、ちょっとしたことでスピードや声色が変わってしまいます。気付いたディレクターは最初に録った僕の声を聴かせて、『この感じでお願います』と言ってきます。なので、自分のその声をまねしています。つまり、僕にとってはものまねが全エンターテイメントの原点になっています」

 ものまねで夢をつかんできた57歳。今日も現場で“ものまね”に立ち返り、前進を続ける。

□ほいけんた 本名・塩田謙一。1965年7月7日、東京・中野区生まれ。都立日野高卒。83年、役者デビュー。数々のドラマ、映画、CM、舞台などに出演し、明石家さんまのものまねをはじめ、マジック、パントマイム、バルーンアートなど、バラエティーに富んだ芸を持つ。182センチ、85キロ。血液型O。

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