韓国の歌姫IUが名前統一 「俳優としても今後はIU」 日本人ファン「イ・ジウンも好きだった」と惜しむ声

韓国のシンガー・ソングライターで俳優のIUが本名の「イ・ジウン(李知恩)」という名前の代わりに今後、芸名の「IU」を使うことにしたと現地メディアが報じている。30日にソウル市城東区の映画館で行われた新作映画『ドリーム』(4月26日公開)の制作発表会見で本人が宣言した。

IU【写真:Getty Images】
IU【写真:Getty Images】

ビートたけしと北野武、松任谷由美と呉田軽穂の例も

 韓国のシンガー・ソングライターで俳優のIUが本名の「イ・ジウン(李知恩)」という名前の代わりに今後、芸名の「IU」を使うことにしたと現地メディアが報じている。30日にソウル市城東区の映画館で行われた新作映画『ドリーム』(4月26日公開)の制作発表会見で本人が宣言した。

 韓国では「国民の妹」としてつとに有名だが、日本の映画ファンからは「IUって何と読むの?」という声が上がっている。答えは「アイユー」。「私(I)とあなた(YOU)が音楽で1つになる」という意味で、歌手のほとんどがダンスパフォーマンス中心であるのに対し、IUはオーディオ型のバラード歌手としてスタートした。93年5月16日生まれの29歳。2008年、15歳だった中学校3年生の時にデビューし、12年以降、毎年韓国国内やアジアの主要都市で大規模なコンサートを開催するなどアジア圏では絶大な人気を誇っている。

 昨年9月17日と18日には2日間にわたりソウル・蚕室(チャムシル)総合運動場オリンピック競技場で単独コンサート『The Golden Hour:オレンジの太陽の下で』を開催。熱気球に乗って会場を1周し、花火やドローンショーで夜空を明るく彩るなどド派手な演出で観客を魅了した。同会場での単独公演は韓国女性歌手として初めてで、2日間で約8万5000人を動員するなど大成功を収めた。

 IUといえば、日本では歌手というより「イ・ジウン」という名の俳優として初めてその存在を知った視聴者が多いのではないか。韓国ドラマの至宝と呼ばれる『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』では困窮する女性の生き方を繊細に演じ、時空を超えたラブストーリーの『ホテルデルーナ』では幽霊だけが泊まることのできるホテルデルーナを営む社長チャン・マンウォル役として毎話、劇中で豪華な衣装を披露し関心を呼んだ。

 また、日本の是枝裕和監督が手掛けた初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』(昨年6月公開)にも主演を務める韓国の名優ソン・ガンホと共演。IUが「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」に匿名で赤ちゃんを置いていく若い女性ソヨンを演じた同作は第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされ、ソン・ガンホが男優賞を受賞したことで話題となった。IUは16年の『月の恋人』以降、ドラマや映画に出演する際に本名のイ・ジウンを使用していた。

 そんなIUが広く知られた「イ・ジウン」の名前を使わないという。理由の1つは新作映画『ドリーム』(イ・ビョンホン監督)が4月26日に公開されること。会見でIUは「女優として活動する時はイ・ジウンという名前をクレジットに載せていましたが、演技活動の際にもすべてIUと呼んでいただき、ある瞬間むしろ混乱させてしまった。ファンの方が混乱することなく、また、どうせ私は1人だから今後はIUに統一することに決めました」と明らかにした。

 日本のSNSには「混乱を与えないようにとのこと。個人的には結構大きいニュース」「IUちゃん、名前統一するのね」などのほか、「本名での“女優イ・ジウン”もどちらも好きだった」「個人的にはIUとイ・ジウンの使い分けは好きだったんだけどな。ビートたけしと北野武、松任谷由美と呉田軽穂みたいな」と惜しむなど名前統一に賛否両論の声が上がっている。

 IUが出演する『ドリーム』は、Netflixドラマ『梨泰院クラス』で知られる俳優のパク・ソジュンが常識のない元サッカー選手のホンデを、情熱のないプロデューサーのソミンをIUが演じる。10年に韓国チームが初出場したホームレスワールドカップでの実話をモチーフに、ホームレスを寄せ集めた韓国代表選手たちと一緒に不可能な夢に挑戦する物語を描いているという。次いでIUは新作ドラマ『お疲れ様でした』(今年下半期か来年放送予定)への出演が決定しており現在撮影中。脚本は19年の大ヒット作『椿の花が咲く頃』のイム・サンチュン氏、演出はIUが出演した18年の『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』のキム・ウォンソク監督で、IUは俳優パク・ボコムとW主演を務める。1950年代に済州で生まれた男女の冒険いっぱいの生涯を描くというが、驚くのはその制作費。日本円で約60億円といわれている。これは『イカゲーム』の約25億円、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の約20億円をはるかに上回る金額だ。日本の地上波ドラマの場合、10話合計で約2~3億円といわれていることと比べるといかに巨額かが分かる。

 老若男女問わず愛されている歌姫・IU。実は韓国ドラマのOST(Original Sound Track)も多数担当している。有名なのが『愛の不時着』の『心を差し上げます』。他にも『最高の愛~恋はドゥグンドゥグン』の『私の手を握って』、『ストライク・ラブ』の『そう 君は』、『ホテル・デルーナ』の『ハッピーエンディング』などがある。『お疲れ様でした』では歌手・IUとしての活躍も期待できそうだ。

次のページへ (2/2) 【動画】衣装の色が一瞬で変化! IUのコンサート公式映像
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