「こんなん気付かないよ」 ネジ型カメラが物議、トイレ盗撮悪用に不安増大…有効策なし?

「こんなん気付かないよ」――。ネット上で、ネジの形状をした小型カメラが大きな物議を呼んでいる。とりわけ駅や店舗のトイレを狙った、盗撮への悪用の懸念が指摘されているのだ。小型カメラは一般的に防犯・監視目的として、身の回り品を模したさまざまな形式の商品が市販されている。小型化と高精度化が進む一方で、不安の声は強まっている。女性トイレでの被害を防ぐポイント、有効な対策はあるのか。危機管理全般に詳しい「株式会社エス・ピー・ネットワーク」担当者に聞いた。

ネジ型の小型カメラが物議を呼んでいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ネジ型の小型カメラが物議を呼んでいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

ハンガー・自動車キー・洋服ボタンなどさまざまな種類が存在 危機管理の専門家に聞いた

「こんなん気付かないよ」――。ネット上で、ネジの形状をした小型カメラが大きな物議を呼んでいる。とりわけ駅や店舗のトイレを狙った、盗撮への悪用の懸念が指摘されているのだ。小型カメラは一般的に防犯・監視目的として、身の回り品を模したさまざまな形式の商品が市販されている。小型化と高精度化が進む一方で、不安の声は強まっている。女性トイレでの被害を防ぐポイント、有効な対策はあるのか。危機管理全般に詳しい「株式会社エス・ピー・ネットワーク」担当者に聞いた。

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 小型スコープに加えて、眼鏡、腕時計、ペン、ハンガー、自動車のキー、洋服のボタン、そしてネジ……。ENCOUNT編集部は、関東地方の複数店舗で、これらの小型カメラが売られているのを確認した。ネット上にも、ネジ型カメラの通販ページが出てくる。値段は3000円台~6000円程度と表示されている。1万5000円のものもある。「防犯」「セキュリティー」「監視」といった言葉で紹介されている。詳細な仕組みまでは読み取れない。

 SNS上では、ネジ型カメラによる盗撮を不安視する声が多数挙がっている。中には、不審なネジをトイレ内で発見したとする書き込みもある。「気づかないうちに盗撮されてたことあっただろうな怖すぎる」「もう盗撮器や盗聴器発見機とか持ち歩かないとだめかな?」「こういうの見たら駅のトイレとか使えないよな…」「もう家以外のトイレ使えないよ」など。さらに、「これは法律で購入者は必ず登録して商品番号から購入者が特定できるようにすべきだと思う」といった法的な規制を求める意見も出ている。

 こうした現状に、危機管理の専門家であるエス・ピー・ネットワーク担当者は一般的な見解として、「盗撮の目的は、大きく分けて2つあります。個人の趣味と、動画・画像販売サイトでの売買です。公衆浴場や温泉施設に仕掛ける古典的な手口、駅などの公共トイレ、コンセント型カメラを住宅に設置するパターンもあります」と説明する。小型カメラの構造や仕組みについて、「盗撮悪用のケースを想定すると、例えば、Wi-Fiのワイヤレス形式で言うと、カメラの映像データを、スマホなどの受信機に飛ばすシステムになっていると考えられます。一般的に受信可能なのは5、6メートルの範囲と言われているので、盗撮の犯人が近くにいるケースがあるかもしれません。また、SDカードなどの記録媒体に保存する形式もあり、この場合は、カメラを回収する必要があります。犯人は、設置や電源確保、回収のため何回か出入りする可能性が高いです」と指摘する。

「女性が撮影して男性が売りさばくといった共犯のパターン」にも要注意

 不安視されているトイレ盗撮について、どうやって被害を防げばいいのか。「現実問題として、これをやれば絶対に大丈夫という対策は、ないに等しいです」と、難しい現状を打ち明ける。ただ、いくつかの対策ポイントがあるという。

「まず、少し調べただけでも、小型カメラは、今回のネジに加えて、電源コンセントやアダプター、さらに電球や火災報知器のタイプも見受けられます。もし、悪用された場合を考えてみると、トイレの中にありそうなものですよね。小型カメラの種類を把握して知っておくことが1つ大事になると思います。トイレの中に突起物など不自然な部分がないか、目視でチェックすることも一手になります。その際は、どんな小型カメラのタイプでも、レンズがないと撮影できないので、気になったものについては、レンズの有無を確認することが重要になります。また、便座の裏側に盗撮カメラが仕掛けられていることが多く、ここもチェックポイントになります」。

 さらに、赤外線カメラを発見する方法の1つとして、「照明を落とした暗い状態で、スマホなどに備え付けのライトで照らすと、赤外線カメラはキラキラ反射します。これで見つけやすくなります。ただ、電気を消すなどの条件があり、あまり現実的ではないかもしれません」とのことだ。

 盗撮犯の犯行パターンやカメラ発見時の適切な対応について、あらかじめ知っておくことも大事になりそうだ。担当者は「盗撮の犯人は、カメラ回収などのため近くにいる場合があります。もし不審なカメラを見つけた場合、犯人の逃走を防ぐためにも、騒がずに冷静に対応すること。落ち着いて警察に通報したり、駅や店に相談しましょう。また、盗撮犯は、一般論として男性が多いとは思いますが、女性が撮影して男性が売りさばくといった共犯のパターンもあります。こうした可能性も知っておきたいです。いずれにせよ、心配な方はリスクヘッジのために、男性も入れる共用トイレの使用は避けた方がいいかもしれません」としている。

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