職人が「きまぐれ」で作った創作和菓子がすごかった 「二度と同じにはならない幻のメニュー」
「『シェフのきまぐれサラダ』なるメニューを見るたびに『多めに仕入れた食材をその時々で効率よく使っているのだろう』などと想像していていましたが、考えを改める出来事がありました」。このような書き出しで、支店での驚きの体験を明かしたのは、山梨の和菓子屋で創業118年目の金精軒(@kinseiken_jp)の公式ツイッターだ。いったい、何があったのか。“中の人”に聞いた。
「きまぐれなので再度作る予定はないそうです」
「『シェフのきまぐれサラダ』なるメニューを見るたびに『多めに仕入れた食材をその時々で効率よく使っているのだろう』などと想像していていましたが、考えを改める出来事がありました」。このような書き出しで、支店での驚きの体験を明かしたのは、山梨の和菓子屋で創業118年目の金精軒(@kinseiken_jp)の公式ツイッターだ。いったい、何があったのか。“中の人”に聞いた。
「『シェフのきまぐれサラダ』なるメニューを見るたびに『多めに仕入れた食材をその時々で効率よく使っているのだろう』などと想像していていましたが、考えを改める出来事がありました。
今日はヤケに力を入れた桜のお菓子を職人さんが作っていたので説明をお願いしたところ…」
19日、金精軒の公式ツイッターが和菓子の画像を添えてツイートしたのは、金精軒の韮崎支店での出来事だった。当日は本店の職人が訪れ、「支店でも力を入れたお菓子を用意したい」と腕を振るっていたという。
その中の一つに、桜の菓子があった。本店でも見たことがない創作菓子で、文字通り、“シェフのきまぐれ”が生み出した作品だったという。
「きまぐれ」という言葉は、「思いつき」や「その日の気分」というのが本来の意味。料理や菓子作りでは、特別感のある前向きな意味として使われるが、確かにそうでない印象を持つ人もいるかもしれない。
だが、この桜の菓子はきまぐれのレベルをはるかに上回るクオリティーだった。“中の人”のツイートは続く。
「このお菓子のためだけに焼いた『桜の葉を刻んで香りを付けたどら焼きの皮』の上に桜餡を乗せ…」「その上に、桜のムースと桜の花びらから作ったゼリーを更に乗せ…」「最後に桜のパウダーと、塩抜きした桜の塩漬けを乗せてあります」
各工程ごとの写真からも、手が込んでいる様子が伝わってくる。洋菓子の素材を使ったおしゃれな和菓子だ。
「ここまで手の込んだお菓子は滅多にないので、理由を聞いたところ『なんとなく』とのご返答がありました。
この世の中には本当にきまぐれ以外の何者でもないメニューがあると知りとても驚いています。
きまぐれなので再度作る予定はないそうです。今日韮崎店にご来店くださった方は幸運でした」と続けた。
投稿は20日午後3時現在、4500件のリツート、2万件のいいね、300万回の閲覧数など大バズり状態に。「素敵なお菓子に出会うことができてラッキーでしたね!」「職人さん素晴らしい」「これ絶対うまいやつ~!!」「二度と同じにはならない幻のメニュー」などの感想が寄せられた。
“中の人”は「本当にありがたいです。世の中に美しいお菓子はいっぱいあるんですけど、どのように作られているかのストーリーが大事だなというのをかみ締めております。だから写真もピンボケしているのに響いたのではないかと。これからも職人さんがどういう気持ちを込めてお菓子を作っているのか届けていきたいです」と話した。
最後に「こぼれ話」も。
「あのお菓子は値付けが1個600円なんですけど、値段も“気まぐれ”でつけてしまって、600円でも赤字だそうです。普通お菓子は何百個も一気に作ったり、効率よく作る工夫をするんですけど、あのお菓子は1個作ってまた1個作ってを繰り返さないといけないそうで…」
細かい利益を考えないほど夢中になって作った手作りの菓子。「きまぐれ」という言葉があったら注意してのぞいてみたい。