青木真也を独占直撃 自粛マット界に喝「今、格闘技をやらなくてどうするんだって!」

試合後はさわやかな笑顔を浮かべた(C)RoadtoONE 実行委員会
試合後はさわやかな笑顔を浮かべた(C)RoadtoONE 実行委員会

「RIZINにとってはチャンス」

――ちなみにマット界では最近、4月の横浜アリーナ大会の中止を発表したRIZINの榊原信行CEOが、夏に向けてメガイベントを開催したい意向があることを公にしています。

青木「それねえ……。まず夏っていうのは難しいと思うんですよ、今の状況だと」

――現実的に考えて。

青木「ええ。そしてこれからの経済って大雑把に言えば右肩下がりのフェーズじゃないですか。つまりさらに不景気のゾーンに入って、経済的に下がっていくし冷え込んでいく。ここまで『物』じゃなくて『事』に消費してきた流れが終わる」

――そんな余裕はなくなると。

青木「そう考えると、感染症があるうちは世界的なイベントもできなくなるから、Abemaのようなテレビコンテンツとして生きていく道を模索する流れもできてくる。だけど今までのように大きくできないからコツコツ耐えるしかないし、適応できなければゲームオーバーになるしかない」

――ということはメガイベントなんてあり得ない?

青木「いや、一概にそうとも言えなくて」

――というと?

青木「だってみんなの抱えているストレスって半端じゃないですよね。それと右肩下がりではあっても、どんな時もその右肩下がりってキレイなラインで下がってはいかないもの。つまり必ず揺り戻しがある」

――なるほど!

青木「そのタイミングでメガイベントをやるのだと考えれば、それは良いセンスだなと思う。だからタイミングが合えば、劇的なことができる可能性はある。ただ、メガイベントっていうのが(2002年に)国立競技場であった『Dynamite!』みたいなものを想定しているのであれば、あの時は、今よりもずっと景気が良かったじゃないですか」

――時代の波に乗ったK-1、PRIDE、猪木軍が結束して前代未聞の10万人イベントを実現させました。

青木「世の中の雰囲気も各団体の景気もそれなりに良い中で実現したから、さらに格闘技の勢いに拍車がかかったけど、今はあの時と違って困窮しているわけだから、そうなると果たして開催にまでこぎ着けるのか。まあ、それは格闘技だけじゃないですけど、やっぱりコロナの状況次第にはなりますよね」

――ホントそうですね。

青木「だけどRIZINにとってはチャンスですよ」

――チャンス?

青木「なぜかというと、今までは鎖国政策を取りたくたってできなかったものが、もう外人が日本に入れなくなって、否が応にも鎖国しかないんだから」

――望んでいた状況が訪れたはずだと。

青木「こんなチャンスないですよ!」

――これ以上ない好機の到来だ!

青木「しかもこれ、ものは考えようだと思うんですよ。『破壊なくして創造なし』じゃないですか」

――“破壊王”橋本真也の名言です。

青木「これでもし景気が良かったら、既得権を持っている人がそのまま持ち続ける構造は変わらなかったと思う。だけど、コロナによって景気が悪くなったらどんどん退場していく人が増えていく。結果、既得権を持っている人の立場が崩れて、万人にそのチャンスが回ってくるんです」

――万人に?

青木「そう。景気が良かった時は本職の中にヨカタ(素人)が混ざっていてもわからなかったけど、景気が悪くなってきて、見る人が減ってくると自然とライト層は去っていくと思う。そしたら選手には良くも悪くもメッセージ性がないわけだから、今までと違ってごまかしが利かなくなってくる」

――だとしたらメッセージのない運動選手や単なるアスリートでは生き残れない?

青木「そういう場面が出てくると思いますよ。しかもアフターコロナなんていつになるのかわからないわけだし。それよりwithコロナでいかに共生していくか。この状況はしばらく続いていくわけだから」

――長期戦の覚悟を持てと。

青木「ええ。でもね、僕はコロナヒステリーがピークを越えた後のことも考えたりするんですよ」

――ピーク後のこと?

青木「これからはさらにリモートワークが進んで、人と会う数が減る。住むところも変わる。例えばそれまでは1LDKで良かった家族が、子供が学校に行かないのも手伝って2LDKや3LDKが欲しくなる。だから嫁はギャーギャー、父怒るみたいな(笑)。最近、コロナ離婚が増えているっていうけど、住む場所のストレスが想像以上に襲いかかってきた面は否定できないと思う」

――光熱費の負担もバカにならないでしょうしね。

青木「だからコロナでルールが変わっちゃったんですよね」

――ルールが?

青木「それまでは野球をやっていて、そのための道具を持っていたのに、ルールが劇的に変更されて、今までの道具では太刀打ちできなくなった。だから必要な道具が違うんですよ。違う競技になっていくんです。だから違う武器を持つしかないんです」

――違う武器を。

青木「そして、もし今が『第三次世界大戦』だったとしたら、戦後の復興のタイミングには必ずいろんなことが新しく生み出されていくはずだから」

――まずは戦後の闇市から始まると。

青木「そういうことですよ!」

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