大掃除、プロが教える“美しく仕上げるコツ” 道具は100円ショップでOK?

今年も残すところわずか。家庭では大掃除を始めている人も多いだろう。家の隅々まできれいに清掃し、新年を迎える準備をしたいが、なかなか重い腰が上がらない人も…。1年1回の大仕事、どのように進めればいいのだろうか。また注意点は? 掃除のプロで大阪不用品回収ゼロ代表の永留統道(ながとめ・とうどう)さんに聞いた。

大阪不用品回収ゼロ代表の永留統道さん【写真:ENCOUNT編集部】
大阪不用品回収ゼロ代表の永留統道さん【写真:ENCOUNT編集部】

永遠の課題? 大掃除をいかに楽に効率よく終わらせるか

 今年も残すところわずか。家庭では大掃除を始めている人も多いだろう。家の隅々まできれいに清掃し、新年を迎える準備をしたいが、なかなか重い腰が上がらない人も…。1年1回の大仕事、どのように進めればいいのだろうか。また注意点は? 掃除のプロで大阪不用品回収ゼロ代表の永留統道(ながとめ・とうどう)さんに聞いた。(取材・文=水沼一夫)

 まずは準備から。大掃除は道具をそろえることから始まる。買い物は100円ショップで済ませるという人もいるかもしれないが、永留さんがお勧めするのはホームセンターとの使い分けだ。

「まずは袋ですね。お客さんにはちょっと費用をかけてもいいので、70リットルの大き目の袋を用意したほうがいいと伝えています。みなさん45リットルの袋を用意される方がほとんどなんですけど、あんまり入らないですし、破れやすかったりします。ホームセンターのものはちょっとぶ厚めです。洗剤も100円ショップのものだとキツすぎることがある。界面活性剤という成分の量が多すぎて、色が脱色する可能性があります」

 ここで考えるのは、掃除はいかにストレスなくスムーズにこなすか。

「掃除するときはストレスをためないことが大前提。薄い袋ではちょっと重たいものを入れると不安になったりします。ストレスがたまると掃除を離脱してしまう。そこの部分はあまりケチらないほうがいいですね」と永留さん。一方で、「手袋や雑巾、バケツは100円ショップでかまいません」と話した。

 次に着手するのは家の中の整理整頓。「整頓するだけですごくきれいになることもある。その上で、整頓できないものが出てくる。いるもの、いらないものが見えてきます」

 助走を終えたら、いよいよ入れるべきは気持ちのスイッチとなる。清掃する箇所が多岐にわたるため、やらなければと思っていてもなかなか行動に移せないかもしれない。どうしたらいいのか?

「僕は場所を決めてやりましょうと言っていますね。掃除の苦手な方って1から10までやろうとして離脱するんです。なので一部達成を目指します。今日はテーブルをやろうとかでもいい。とりあえず腰を上げる。ダイエットと似ています」

 大掃除に決まった順番はない。「1個やると、意外と気持ちがよくなって別のこともやろうとする。簡単なことからでいい。テーブルの半分からでもいい。終わったら、残りの半分がめちゃ気になりますから」。できれば日程を決め、ゆとりをもって少しずつ進めたい。

さあ何から始めよう(写真はイメージ)【写真:写真AC】
さあ何から始めよう(写真はイメージ)【写真:写真AC】

大掃除ならでは… 窓の掃除と床の雑巾がけのポイント

 仕上がりを美しくするための秘けつはあるのだろうか。窓の掃除と床の雑巾がけのポイントを聞いた。

 まずは窓の掃除。寒さと面倒くささで窓を外さないまま作業する人もいるが、「サッシもきれいにしたいので、絶対に外したほうがいいです」と指摘した。

 汚れを落とし、ワイパーで窓の水分をふき取る際にもコツがある。「縦に動かすと、方向感覚が分からなくなる。横に動かせば、窓枠を目的地にできます」。上から下へと動かしがちだが、横へ横へと拭き取っていく。さらに「我々はワイパーで拭いた跡が半分ぐらいかぶりますね。かぶらないようにギリギリでやられる方が多いと思うんですけど、かぶせてやったほうがいいです」。手際が悪いとワイパーで拭きとった跡が窓に残って汚くなってしまうが、基本を守ればピカピカに仕上がるという。「最後は拭き上げですね。しっかり絞ったタオルとから拭きで2回やります」

 次は雑巾がけ。普段はルンバに任せていても、大掃除では手作業を加えて床を磨き上げる。

「ルンバをお持ちの方は分かると思うんですけど、まずは下に荷物を置かないことですね」と床をむき出しにする。「そして、一番やりやすいのはクイックルワイパーのような棒がついている掃除用具です。ドライとウエットの2枚を用意します。ドライをしてからウエットできれいにしていくのが正解です。先にウエットをしてしまうと、こびりついたり毛などが後で取れなくなってしまいます」

 キッチン周りも部品が取り外せるものはこの機会に外して一つ一つ掃除する。テレビの裏側などほこりのたまりやすい場所は配線を一つにまとめるだけで違うという。「テレビは洗剤を直接本体に吹きかける方もいますけど、タオルにつけてから拭きます」と丁寧な作業を心がける。

「掃除した後に、それを維持したいという気持ちになると思います。その仕組みを作ることも大事ですね。道具は100均で、というのも実は魔物です。そういうときこそ、高いお金を払ってもいい。例えば、傘に3万円を出してなくす人はいないですよね。むしろ雨が降るのが楽しくなる。そういう感覚で清掃道具も男性ならかっこいいもの、女性ならデザインがかわいいとか、そういうところにお金をかけてみる。デザイン重視で全然いいです。『あのブラシ使えるんだ!』って掃除が楽しくなりますよ。掃除で気分が上がるってめちゃくちゃよくないですか」

 気持ちよく新年を迎えたい。

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