フワちゃんのプロレスデビューが批判から称賛に変わるまで 関係者が驚かされた本気度

タレントでYouTuberのフワちゃんが10月24日にプロレスデビューを飾り、大きな反響を呼んだ。舞台を作った、女子プロレス団体「スターダム」の広報・今井香苗さんにデビューまでの過程、そして再度の参戦はあり得るのか聞いた。

上谷沙弥(右)に卍固めをかけるフワちゃん【写真:(C)STARDOM】
上谷沙弥(右)に卍固めをかけるフワちゃん【写真:(C)STARDOM】

舞台を整えたスターダム広報を直撃

タレントでYouTuberのフワちゃんが10月24日にプロレスデビューを飾り、大きな反響を呼んだ。舞台を作った、女子プロレス団体「スターダム」の広報・今井香苗さんにデビューまでの過程、そして再度の参戦はあり得るのか聞いた。(取材・文=角野敬介)

 10月23日、スターダムの立川立飛大会でフワちゃんはマットデビューを飾った。

 半年に満たない練習期間。テレビの企画(日本テレビ系「行列のできる相談所」)ということもあり、批判的な声が多くを占める中でのプロレスデビュー。それでもマットの上でのフワちゃんは、確かにプロレスラーだった。

 序盤こそ一方的に技をかけられたが、徐々に持ち前の身体能力の高さを発揮。ドロップキックに、ブレーンバスター、さらには対戦相手の上谷沙弥に卍固めを極め、会場を騒然とさせた。

 最後は3カウントを奪われたが、見事な戦いぶりで、視聴者を興奮させ、プロレスファンをうならせた。そんなフワちゃんがデビューするまでの道のりについて、今井さんはこう振り返る。

「まずは日テレの担当の方から、『やらせていただけませんか?』とお問い合わせでいただいた。こちらも『ぜひやりましょう』と。最初に連絡をもらったのは、今年の3月。それで4月からすぐに練習をしたいと。これは本気だなと感じました」

 女子プロレス団体はいくつかあるが、フワちゃんはなぜスターダムを選んだのか。

「今、ものすごく活気があるというふうに見てもらえたのかなと。それにフワちゃんが以前からスターダムの選手に対してすごく思い入れをもってくれていたじゃないかとも感じました。プロレスをやるなら絶対スターダムっていうのを決めていたんだと思います」

タッグを組んだ葉月(左)と入場【写真:(C)STARDOM】
タッグを組んだ葉月(左)と入場【写真:(C)STARDOM】

 実は当初、受け入れる側のスターダムのオーナーであり、ブシロードの木谷高明社長はフワちゃんのことを知らなかったという。

「大人気YouTuberですごいインフルエンサーだっていうことを、私含め、女子社員みんなで説明して。スターダムもこれから女性のお客様を増やしたいと思っていた時でしたので、『フワちゃんの影響力は本当にスゴイんです』という話をしたら、『え、そうなんだ。いいね!』という流れになって」

 そこから多忙なタレント活動の合間を縫って、トレーニングの日々が始まった。

「正真正銘の売れっ子のフワちゃんですから、とにかく忙しくて時間が取れない。仕事と仕事の合間にタクシーで道場に来て、練習して次の仕事に行ったりとか。でもせっかくスターダムに“入門”してもらえるなら本隊ユニットの『STARS』の皆さんから指導してもらうのがいいかと思い、岩谷麻優選手や葉月選手、もちろん番組スタッフさんとも相談させてもらって、半年後にデビューするために逆算してメニューを組んでいただきました。そこからは選手主導です。新しい練習生を育てる感じで指導してもらったんですけど、フワちゃんはあまりにも身体能力が高くて、教えたことがどんどんできちゃうんです」

 フワちゃんの成長力、吸収力に驚くばかりだったというが、受け入れる選手たちには抵抗はなかったのか。

「以前はいわゆる“生え抜き”といわれる選手がメインで、プロレスの基礎を一から先輩に教え込まれてデビューするケースが多かったと思うんですけど、最近の傾向は少し変わってきていて、特に女子は芸能界を経験した人がプロレスに転向するケースが本当に多い。だから、昔だったら抵抗感やアレルギーのようなものがあったのかもしれないですけど、今回はそういうものは全くなかったように感じます。みんな割とミーハーな感じで、フワちゃんの動画を見せると『えー、すごい!』って素直に驚いたり、実際に会えたら写真撮ってもらえるのかな?って言ったりしてました」

 一方でフワちゃんのスターダム参戦が決まった際には、SNS上には批判的な声が続々と上がった。YouTuberが女子プロレスのリングに。しかもテレビに引っ張りだこの売れっ子だからなおさらだ。

「私も意外だったんですけど、こんなにも批判されるんだなと思いました。でもフワちゃん自身は平然としていて、やっぱりYouTuberとしてSNSと常に向き合ってる人なんだなと感じました。東スポの一面に取り上げられることも新鮮だったようで楽しんでいらっしゃるようでした」

 そんな声も自身のパフォーマンスで封じ込めた。アリーナ立川立飛を訪れたファンを熱狂させた。それもフワちゃんが真摯に練習に打ち込んだ結果だ。

抜群の身体能力を生かしたドロップキック【写真:(C)STARDOM】
抜群の身体能力を生かしたドロップキック【写真:(C)STARDOM】

フワちゃんの熱いプロレス愛、「受け身に注目して研究していた」

 フワちゃんのプロレス愛を感じるエピソードを明かしてくれた。

「プロレスの練習を始めてからは、常にYouTubeでスターダムの選手の動画を見ていたみたいで、どんな技をやりたいかというお話になると『この受け身がしたい』って。プロレスやるとなったら、まず自分はどんな技をやりたいかって考えると思うんですけど、動画では選手の受け身に注目して研究してたんだと思います。選手には『どうやって受けてるんですか?』って細かいとこまで色々聞いてましたね。受けの醍醐味を理解してるんだなって感じました」

 そんなフワちゃんは、2戦目へ向けてすでに練習を再開しているという。多忙を極める売れっ子がゆえ、スケジュールはまだ固まっていないが、スターダムも受け入れ態勢は整えている。

「フワちゃん自身もめちゃくちゃ次もやりたいっていう思いがあるとは聞いています。やるなら、日本テレビの『行列のできる相談所』番組さんが引き続き追いかける形になるかもしれませんし、スターダムのビッグマッチに参戦していくことになるかもしれませんね。フワちゃんのプロレスデビューを完全放送した10月30日の視聴率が9.5%だったんですけど、意外とよい数字だったんですよね。地上波のゴールデンタイムで、女子プロレスが流れる機会ってそうそうない。そういう意味でも次も期待をしたいです」

フワちゃんの熱いプロレス愛について説明するスターダム・今井広報【ENCOUNT編集部】
フワちゃんの熱いプロレス愛について説明するスターダム・今井広報【ENCOUNT編集部】

 ゴールデンタイムにまるまるプロレスで1時間中継したのは、2000年4月7日にテレビ朝日系で放送された伝説の「橋本真也34歳、小川直也に負けたら即引退!スペシャル」以来、22年ぶりの出来事だった。

 女子プロレスの枠を超え、今最も勢いのある団体スターダムと、今最も旬なタレントの化学反応は一定の成果を生み出した。2023年、再びリングでその姿を見られる日が楽しみだ。

【スターダム今後の日程】
JRA中山競馬場 presents
STARDOM DREAM QUEENDOM 2022
開催日:2022年12月29日(木)
試合開始:17:00~
場所:東京・両国国技館
詳細はスターダムHPまで

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