「目標は3年以内の武道館」2人組として再出発したBuZZが目指す日常に寄り添った音楽

Yujiとusayによる2人組音楽プロジェクト「BuZZ」が最新作「MOOD」をリリースした。2017年に5人編成のミクスチャーバンドとしてスタートし、デビューシングルは観月ありさ主演のドラマ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(2018年、フジテレビ系)のエンディングテーマに起用されるなど好調なスタートを切ったが、メンバーの脱退やコロナ禍の影響で2人組のユニットとしてスタイルを変えた。洗練されたサウンドと持ち前のクールなボーカルで新境地を開くYujiとusay。新生「BuZZ」がこれから目指す先とは?

BuZZの(左から)usay、Yuji【写真:(C)RISINGPRODUCTION提供】
BuZZの(左から)usay、Yuji【写真:(C)RISINGPRODUCTION提供】

まったく売れない時代からサポートしてくれた人たちのために

 Yujiとusayによる2人組音楽プロジェクト「BuZZ」が最新作「MOOD」をリリースした。2017年に5人編成のミクスチャーバンドとしてスタートし、デビューシングルは観月ありさ主演のドラマ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(2018年、フジテレビ系)のエンディングテーマに起用されるなど好調なスタートを切ったが、メンバーの脱退やコロナ禍の影響で2人組のユニットとしてスタイルを変えた。洗練されたサウンドと持ち前のクールなボーカルで新境地を開くYujiとusay。新生「BuZZ」がこれから目指す先とは?(取材・文=福嶋剛)

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 少年時代を海外で過ごしたYuji。その後、富山に移り、高校時代は地元のクラブやライブハウスでシンガーとして活動しながらイベントオーガナイザーとして才能を発揮していた。

Yuji「富山、新潟、福井、石川といった北陸で活躍するダンサーやDJを誘って週末の昼間に高校生が遊べるイベントを企画していました。ライブハウスでも歌っていたんですが、自分の曲がないとステージに立てなかったので曲作りを始めました」

 usayは福島出身。ダンスに出合うまではサッカー少年だった。

usay「目立ちたがり屋だったのでフォワードをやりたかったんですけど、特別体も大きくないし、足も速いわけではなかったのでポジションはミッドフィルダー。中学ではキャプテンをやっていました。理由は送別会で歌えるのがキャプテンだけだったから(笑)。歌が大好きで母親と姉がダンスをやっていたのでだんだん踊るのも好きになっていきました」

 そんな2人が意気投合し、結成したのが「BuZZ」だった。

Yuji「メンバーの中では僕が一番年上でusayが一番年下だったから最初は話がかみ合わなかった。『本当にダンスがすごいよね』って話しかけたら『俺はできないことってないんだよね』って自信たっぷり。心強かったですよ(笑)」

usay「まだ10代だったから怖いもんなしでした(笑)。怒られながら芸能界のルールを覚えていましたね」

 契約してわずか3か月後にリリースしたデビューシングルがドラマのタイアップに決まるなど、そのスピードに戸惑ったという。

Yuji「これがエンタメの世界なんだって驚きました。実はドラマが終わるまでは僕たちは一切顔出しをしなかったんです。そのあと事務所主催のフェスで初お披露目をしたんですが、僕たちの実力がそこに全然付いていけていなくて。とにかく必死で食らいついていきました」

 それから一歩一歩着実にステップアップしていくかに見えたがメンバーが1人脱退。その後4人で新たな出発をするもコロナ禍でライブ活動が止まりさらに2人が抜けた。

Yuji「最初はダンスパフォーマンスも軸にしていたんですが、抜けたメンバーがコレオグラファー(振り付け担当)だったんです。それで4人体制になって、次は音楽性を軸に置いてやっていこうって頑張っていたんですけどコロナ禍で活動が止まってしまい、リモートでYouTubeをやってみたり、いろいろ試してみたんですがモチベーションを保てず2人が抜けました。コロナ禍の影響をもろに受けた感じで正直しんどかったですね」

弱い面も偽りなく見せてリアルな俺たちを見せる【写真:(C)RISINGPRODUCTION提供】
弱い面も偽りなく見せてリアルな俺たちを見せる【写真:(C)RISINGPRODUCTION提供】

残された2人が選んだ道

 残された2人だったが「BuZZ」を終わらせることは考えていなかったという。

Yuji「まったく売れない時代からサポートしてくれたスタッフや応援してくれたファンがいたから立てた場所ですし、今でもそんな素敵な人たちが集まれる場所が『BuZZ』なんです。だからなんとか残していきたいと思いました」

 壁にぶち当たった2人が自分たちと向き合い、少しずつ分かってきたことを形にしていった。

usay「今まで以上にやっていることにうそはないってハッキリ言えました。やっぱりステージに上がるとき、前はカッコ良さとかおしゃれなところを追求していた部分があるんだけど、今はライブでも配信でもリアルな俺たちを知ってもらいたいって思っています。弱い面も偽りなく見せてそれを曲や歌にしてみんなに届けていきたいし、聴いてくれた人たちに楽しんでもらいたい、そう思うようになりました」

 音楽的にも大きな成長があった。それが今回の新曲に詰め込まれている。

Yuji「ライブで盛り上がるために作ってきた音楽から、それぞれの日常の中で楽しんでもらえる音楽を作りたいってコロナ禍の数年間で自然に考え方が変わってきました。さまざまな日常がほんのり香る音楽、それはシティ・ポップだったり、R&Bだったり。僕たち2人とクリエーターがチームになって和食からイタリアンまで創作料理を一緒にワイワイ言いながら作るみたいな、そんな感覚で音楽を制作できるようになりました」

usay「録音機材を全部うちに持ってきて、Yujiと一緒に曲作りをやっているんです。Yujiがメロディーをたくさん作って、僕がそこで編集するとか2人の役割がはっきり分かれて今は全部が面白いですよ」

 ようやくライブも再開し12月に久しぶりのワンマンライブを開催した。「2人体制になったBuZZの面白さはこれからです」とYujiは断言した。

usay「もっともっといいライブをしたいなって思います。その延長でずっとやっているのでライブが楽しいです」

Yuji「サブスク時代なんでどこの国で僕たちの曲が受けるのか分からない時代ですから、今までBuZZを聴いたことのないたくさんの人に知ってもらいたいし、そんな曲をこれからも作っていきたいです」

usay「やっぱり偽りのない僕たちをどんどんさらけ出して自然体でやれたらいいなって今は思ってます」

Yuji「目標は3年以内の日本武道館公演!」

usay「僕は大きな病気をせずにずっとBuZZを続けていくことかな(笑)」

□BuZZ(バズ)2017年結成。デビューシングル「LEAN ON ME」をリリース。ドラマ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(フジテレビ系)のエンディングテーマに起用される。2021年、2人体制になる。22年、EP「MOOD」リリース。

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