関口メンディーの意識を変えた“黒歴史” 連続遅刻で謹慎処分「うそつくことに疲れた」

GENERATIONS from EXILE TRIBE、EXILEでパフォーマーとして活躍を続ける関口メンディーが、ABEMAオリジナルドラマ「覆面D」(10月15日午後10時スタート)で主演を務める。教師かつプロレスラーという特徴的な役柄で、学生たちが直面するシリアスな問題に体当たりで向き合っていくという現代の世相を反映したかのようなストーリー。自身の境遇とも重なる部分も多いという同ドラマでメンディーが伝えたい思いに迫った。

「覆面D」でドラマ初主演を務める関口メンディー【写真:ENCOUNT編集部】
「覆面D」でドラマ初主演を務める関口メンディー【写真:ENCOUNT編集部】

等身大で伝えたいコト「あのポンコツがここまで変われる」

 GENERATIONS from EXILE TRIBE、EXILEでパフォーマーとして活躍を続ける関口メンディーが、ABEMAオリジナルドラマ「覆面D」(10月15日午後10時スタート)で主演を務める。教師かつプロレスラーという特徴的な役柄で、学生たちが直面するシリアスな問題に体当たりで向き合っていくという現代の世相を反映したかのようなストーリー。自身の境遇とも重なる部分も多いという同ドラマでメンディーが伝えたい思いに迫った。(取材・文=中村彰洋)

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 同ドラマは、関口演じる高校の熱血教師・大地大輔がひょんなことから挑戦することとなったプロレスラーと二足のわらじを履きながら生徒が抱えている問題に向き合っていくというストーリー。

 関口にとって初の主演作。座長としての不安を抱えながらも撮影に臨む中で決めたことがあった。「『覆面D』に携わってくれた人がみんな『やってよかった』って思うこと。今年1番のドラマにすること。ドラマを見た人の中で、何かを諦めかけてしまっている人、踏ん張りたいなと思っている人の背中を押せるような、そんな人を1人でも多く増やすこと。この3つを決めて撮影に臨みました」。

 脚本は日頃から交流のある鈴木おさむが務めた。「覆面D」というタイトルや主人公・大地大輔のキャラクターといい、まるで関口のために書かれたかのような作品。「どう考えても当て書きっぽい感じはあるなとは思っています。でも実際に聞いてはいないので真意は分からないんです」と笑う。

「本当に他人事じゃないというか、大地大輔が自分みたい。こんな役に出会えることは今後ないだろうなと思える作品です。おさむさんが『メンディーの作品で1番いい作品ができちゃった』と、なぜか悔しがっていました(笑)」

 これまでも抜群の運動能力かつ筋骨隆々な肉体を披露してきたが、プロレスラー役には初挑戦。特別な体作りはせずに撮影に臨んだ。一方でプロレスの練習を重ねるうちに「レスラーらしい体つき」に変化していった。「レスラーの皆さんにも『レスラーっぽくなってきましたね。関節技がうまい人の体つきしてる』と褒められました」と白い歯を見せる。

 一見するとコミカルな設定に思えるが、作品の内容は「親ガチャ」など現在の世相を反映させたものばかり。関口は熱い思いを口にする。

「今回扱われている題材って本当にシリアスで結構踏み込んでいるんです。今、日本の元気がないと言われたりもしますが、だからといって個人が成長を諦める必要はないと思うんです。自分は今まで生きてきた中で、行動したり、努力したことで見える世界が変わっていきました。おせっかいではあるのですが、何かに挑戦することを諦めてしまっている人たちの世界の見え方を変えてあげたいんです。結局はやるかやらないかの話になってしまうんですけど、『やってみなきゃ分からない』ということをこの作品を通して伝えたいです」

自身の活動についての思いを明かした関口メンディー【写真:ENCOUNT編集部】
自身の活動についての思いを明かした関口メンディー【写真:ENCOUNT編集部】

真っすぐなメッセージを発信「こういう人だから応援したいと思ってほしい」

 関口もかつて、学生時代には怒られたくないがために「うそ」をつくこともあった。しかし、歳を重ねるにつれて、素直に自分の非を認めることの大切さに気付いた。

「大人になって、たくさんの失敗を重ねて、うそをつくことに疲れてしまったんです。素直に非を認めたほうがラクだということに気づいてから、見える世界が変わりました。『ごめんなさい』と言えることは大事なことです。でもそれって簡単なようで難しいこと。過去の失敗や傷を認めてあげて、その出来事にもよりますが、笑い話にできる日がいつかくると思っています。失敗や間違ってしまうことは誰しもがあることで、悪いことではない。そういうのを伝えたいです」

 考え方が変化したのには、明確なきっかけがあった。

「うそをつくことに疲れたのは、デビュー前の“黒歴史”がきっかけでした。4日連続ぐらいで遅刻をしてしまって、謹慎で“夢者修行”に参加できなかったんです。仕事が始まって1時間後ぐらいに起きるということを続けてしまいました。最初は言い訳を考えていたんですけど『これは無理だ。謝るしかない』という経験をしたとき、『もううそつくのをやめよう』と思ったんです。取り繕ったり、隠したりすることを選んだ時期もありましたが、それを経験して素直でいることが大事だと思ったんです。そこまでの失敗をしないと自分でも分かんなかったんです……」

 体育会系でハキハキとしたイメージのある関口。現在からは想像し難い“黒歴史”だった。

「なんで遅刻したのかと言われるとよく分からないんです。本当に起きれなくて、『なんでだろう。病気かな?』と考えたこともありました。今思えば、当時はデビュー前の“夢者修行”の時期で精神的に不安定だったのかもしれないです。自分でいろんなことを抱え込んでいた時期だったので、積み重なってのストレスだったんですかね……。でも、こんなポンコツだった僕でも本気で変わりたいと思ったら変われたんです。この事実を伝えていきたいです。『あのポンコツがここまで変われたなら、みんなにもできるでしょ』って。『メンディーができたなら私にもできるかも』って思ってくれる人を増やしたいです」

 SNSではファンへストレートな思いを伝えることも多い関口だが、きっかけはコロナ禍だった。「コロナ禍に入って、『このままじゃダメかも』と思うことがありました。ライブやお仕事ができなくなってしまった時期があって、『これはまずいな』と勉強するようになったんです。勉強する中で、インプットしてもアウトプットがないと自分の中に定着せず、すぐ忘れてしまう。なので、誰かに話すことがすごく大事だなと思い、さまざまなことを発信するようになりました」。

 6月にはファンマナーについて、苦言を呈した。「そんなの別にアーティストが言う必要はないと考える人もいましたが、でも僕はそうは思っていなくて、応援してくれている人に自分の口で伝えることが1番効果があると思ったんです。それをせずに、本当にアーティスト活動に向き合ってると言えるのかなって。なので、自分の口で思ったことを発信するのを意識するようになりました」。

 また、ありのままの自分をさらけ出すことにも理由がある。

「バラエティーなどに出演させていただいて、僕のことを知っている人は結構いると思います。でも、僕が普段どんなことを考えているかまでは伝わっていないと思うんです。だから、『僕ってこういう人間ですよ』と知ってもらうために発信するようになりました。作品や曲が好きなだけだと、それがなくなったときに離れてしまう。でも人を好きになって、『この人だから応援したい』と思ってくれる人が増えれば、どんな状況になってもついてきてくれるだろうなということをコロナ禍に思ったんですよね。『メンディーはこういう人だから応援したい』と思ってくれている人はどれだけいるんだろうと思い、積極的に発信するようになりました」

 パフォーマー、演技にバラエティーと多方面で活躍する関口。今後の目標については「挑戦する人を1人でも増やしたい」と目を輝かせる。

「こんなポンコツな僕でも挑戦したらこんな楽しくて、面白くて、ワクワクできるような世界に入れました。そういった事実を1人でも多くの人に伝えたいからエンターテインメントに携わっているんです。お芝居やアーティスト活動、バラエティーも一つの手段にすぎなくて、挑戦する人がどんどん増えるようなことに力を注いでいきたいです。挑戦って人生を豊かにすると思うんです。そういう人が増えると日本も元気になる。それが今、自分にできる社会貢献かなと考えているので、そういう人になりたいですね」

□関口メンディー(せきぐち・めんでぃー)1991年1月25日、アメリカ・ニュージャージー州出身。GENERATIONS from EXILE TRIBE、EXILEのパフォーマー。2011年にGENERATIONSに加入。14年からはEXILEでも活躍。HONEST BOYZ(R)ではラップも披露。22年10月スタートのABEMAオリジナルドラマ「覆面D」では主演を務める。アーティストのみならず、バラエティーなど幅広く活躍を続けている。

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