「GET WILD」復活に「待ってました!」の声 大森隆男&征矢学が世界タッグ王者に挑戦

平成の日本プロレス史を代表する“タッグ屋”「GET WILD」が全日本プロレス「50周年記念大会」(9月18日、東京・日本武道館)大会で帰ってくる。

大森隆男との「GET WILD」を復活させた征矢学【写真:柴田惣一】
大森隆男との「GET WILD」を復活させた征矢学【写真:柴田惣一】

再結成で世界タッグ王者に挑戦

 平成の日本プロレス史を代表する“タッグ屋”「GET WILD」が全日本プロレス「50周年記念大会」(9月18日、東京・日本武道館)大会で帰ってくる。

 かつて大人気を博した大森隆男と征矢学のコンビが復活。世界タッグ王座のベルトを3度巻き、世界最強タッグ決定リーグ戦では2012年と16年に2度の優勝を飾った名チーム。16年は全勝優勝を飾り、会場を大いに沸かせた。

 GET WILD再結成で、世界タッグ王者・芦野祥太郎、本田竜輝組に挑戦が決まると「大森の30周年にふさわしい」「好きなタッグチーム。素直に嬉しい」「征矢はWILDでなくちゃ!」「待ってました!」「これだよ! これ!」と大喜びするファンの声が続出した。

 大森と征矢は、かみ合っているのか、かみ合っていないのか、何とも不思議なやり取りが魅力だ。2人にしか醸し出せない、味のある空気感は他の追随を許さない。

 現在、征矢はノア「金剛」のメンバーとして、寡黙で武骨な男になった。「WILDはどうなったのか」と聞くと「WILDは冬眠しています」という答えだった。「封印」ではなく「冬眠」という含みを持たせる言い方に、WILDの復活を期待されていた。この間も、大森は変わらずに「一人WILD」を貫いていたが、やはりどこか寂し気だった。

 リングを下りれば優しい征矢。大森と離れてはいたが「大森さん、30周年なんですね。そんなに長く活躍するなんてすごい! 素晴らしいですね」と、盟友の動向を気にかけていた。

 大森が先の全日本・王道トーナメントで、2回戦で敗れていた野村直矢がコロナに感染したことで、準決勝にスクランブル出撃した際も「頑張ってほしいですね」と、陰ながらエールを送っていたものだ。

 とはいえWILD復活の道は決して平たんではなかった。世界タッグ挑戦に向け「ふさわしいパートナーを連れて来る」と宣言した大森に「秋山とも思ったけど、タッグとくればGET WILDだろう」「真っ先に征矢が頭に浮かんだ」「征矢しかいない」と征矢待望論が巻き起こった。征矢も「そう思ってもらえるのは、本当にありがたい。心から励みになる」と語っていたが、なかなか正式決定には至らなかった。

 大森の熱い呼びかけに応じ、征矢が「WILDの森」に出向いて再会。空白の時間を埋めるように、お互いのWILDを確かめ合う2人。WILDとなかなか口にしない征矢だったが、大森は「30周年なんだよ! 俺をもう一度、漢にしてくれ!」と訴える。征矢は「数字を口にしていたけど、WILDってのは、そんな数字にとらわれることじゃないでしょ」と突き放す。大森はついに征矢から飛び出したWILDにすかさず「今、WILDって言ったな。WILDの気持ちがもどってきたんじゃないか」と突っ込むと、征矢も「WILDやりましょう!」と気持ちの高ぶりを押さえきれなくなっていた。

 途切れたかに思えたWILDの赤い糸だったが、運命に導かれるようにまたつながった。ついに征矢の冬眠していたWILD魂が目覚めたのだ。

 大森も征矢もイキイキしている。会場にあのテーマが流れる。2人で入場して来る。考えただけでワクワクする。

 GET WILDは2人でひとつ。日本武道館でも「WILDに行こうぜ!」。

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