【六本木クラス】葵と龍河が激突 「梨泰院クラス」との決定的違い…通行人が真逆の反応

俳優の竹内涼真が主演を務めるテレビ朝日系「六本木クラス」(毎週木曜、午後9時)の第8話が25日夜に放送された。Netflixで配信され世界中で大ヒットとなった韓国ドラマ「梨泰院クラス」の日本リメーク版。主人公の宮部新(みやべ・あらた)が父親を死に追いやった大手外食産業・長屋ホールディングスの長屋茂会長への復讐(ふくしゅう)を誓う青春群像劇で日韓共同プロジェクトとして制作された。この日の放送ではオリジナル版のエピソード9の後半から同10の後半までの部分が描かれ、オリジナル版とは真逆となる“冷たい人たち”が描かれた。

宿敵と対決した葵を演じた平手友梨奈【写真:ENCOUNT編集部】
宿敵と対決した葵を演じた平手友梨奈【写真:ENCOUNT編集部】

「コケコッコー」 早乙女太一の演技に「鶏の鳴き真似最高」の声

 俳優の竹内涼真が主演を務めるテレビ朝日系「六本木クラス」(毎週木曜、午後9時)の第8話が25日夜に放送された。Netflixで配信され世界中で大ヒットとなった韓国ドラマ「梨泰院クラス」の日本リメーク版。主人公の宮部新(みやべ・あらた)が父親を死に追いやった大手外食産業・長屋ホールディングスの長屋茂会長への復讐(ふくしゅう)を誓う青春群像劇で日韓共同プロジェクトとして制作された。この日の放送ではオリジナル版のエピソード9の後半から同10の後半までの部分が描かれ、オリジナル版とは真逆となる“冷たい人たち”が描かれた。

(※以下、ドラマの内容に関わる記述があります)

 第8話は長屋龍河(早乙女太一)が麻宮葵(平手友梨奈)を長屋ホールディングスへスカウトするため新が店長を務める六本木の居酒屋・二代目みやべにやって来る。二代目みやべのスタッフが戸惑う中、新は「葵の人生は葵が決める」と冷静さを見せるが、龍河は毒づきながら葵を連れ出した。近くのカフェに入った龍河と葵は引き抜きの条件を話し合う一方、葵は龍河や長屋を持ち上げる。気分を良くした龍河は、12年前のひき逃げ事件の真相をベラベラと話し出す。その内容をスマホで録音した葵は内容を公にすると告げる。激怒してつかみかかろうとする龍河をかわして店の外に逃げ出すが、追いかけてきた龍河に襲われ危機一髪……。

 シリーズ中盤最大の見せ場であるこのシーン。実は韓国と日本では描写に決定的な違いがあった。「梨泰院クラス」では梨泰院の繁華街に逃げ出したチョ・イソ(キム・ダミ)がチャン・グンウォン(アン・ボヒョン)に頬を殴られ転倒。チョ・イソは「分かってる? ここは梨泰院だ。各国から来た紳士がそこら中にいるわ」と周囲の人に助けを求める。すると通行人や店内にいた外国人客らが出てきてチャン・グンウォンを取り囲む。チャン・グンウォンは札束をばらまいて買収しようとするが、通行人や外国人客らに包囲されパトカーで連行される。

 一方、「六本木クラス」に登場する通行人は真逆の反応だった。葵が六本木の寂しい脇道に逃げ込むと龍河が追いつき頬を殴打。倒れ込んだ葵は「ここがどこだか分かってんの? 助けてください、誰か!」と叫ぶものの、近くにいた10人ほどの若い男女は怖がり逃げてしまう。「えっ?」と驚く葵に龍河は「冷たいもんだな」と吐き捨てた。「梨泰院クラス」ではチョ・イソのピンチを街全体で救うというコンセプトになっているが、「六本木クラス」は葵のピンチに六本木の街が背を向けてしまう、という真逆の流れとなった。

 理由としては、「六本木クラス」では六本木の目抜き通りでの撮影が難しかったため脇道に変更。周囲の暗い雰囲気に合わせるため意図的に絵を冷たくした、またはコロナ禍による外国人客の減少という厳しい現実を念頭に六本木の街をあえて寂しく描こうとした、などが考えられる。あるいは、困っている人に手を差し伸べようとしない昨今の日本社会の一部風潮に対する強烈な皮肉を意図したのかもしれない。それが「冷たいもんだな」という龍河のせりふに表れている。

 一方、葵が龍河をおだてて過去の事件を聞き出すカフェのシーン。「梨泰院クラス」ではチョ・イソはホットコーヒー、チャン・グンウォンはアイスティー(水割り、ウーロン茶にも見える。氷入りの茶色の液体)を注文していた。これはチョ・イソの熱量(ホット)とチャン・グンウォンの冷徹(アイス)の視覚的対比であるように見える。「六本木クラス」では葵と龍河が同じホットコーヒーを注文している。他人と違うことをためらう日本的人間付き合いが影響していると見るのは考え過ぎか。

 葵と龍河が対峙するこのシーンでは、葵が龍河の名刺に記載されていた電話番号をさりげなく自分のスマホに登録。龍河が法律について「俺みたいな上級国民には適用されない」と豪語するくだりは龍河の鼻持ちならない性格を浮き彫りにした。カフェの壁のスクリーンには六本木の風景が映っている。龍河は鶏の鳴き声を真似し「宮部新は鶏だ」と卑屈な高笑いを放った。この部分はテレビ朝日のスタッフ独自のアイデアだ。龍河を演じた早乙女の演技にネットでは「悪辣な鶏の煽りもすごかった」「龍河の調子に乗ったアホっぷり。鶏の鳴き真似最高」「コケコッコーも葵に熱い飲み物ぶっかけられて熱がるところも金持ちのダメ息子役ハマりすぎ」などの声が上がっている。

※第8話の主な設定変更は以下の通り。

・「梨泰院クラス」長家(チャンガ)のチャン・グンウォン専務がセロイの店に現れ、スカウトと称してチョ・イソをカフェに連れ出す。会社の方針をめぐるセロイとイソの対立を回想するシーンが登場
→「六本木クラス」長屋龍河が葵を連れ出す。回想シーンはカット

・「梨」カフェでチョ・イソはホットコーヒー、チャン・グンウォンはアイスティー(別の可能性も)を注文
→「六」カフェで葵と龍河はともにホットコーヒーを注文

・「梨」チャン・グンウォンが法律について「支配する側には適用されない」と発言。過去の事故を告白する際、声が低くなるよう音声を加工
→「六」葵が龍河の名刺にある電話番号を自分のスマホに登録。龍河は法律について「おれみたいな上級国民には適用されない」と発言。背景のスクリーンには六本木の風景が映る。龍河の声はそのままで、鶏の声を真似し「宮部新は鶏だ」と卑屈な高笑い

・「梨」チョ・イソが梨泰院の路上に逃げ出すとチャン・グンウォンが追いつき殴打。チョ・イソは助けを求める。六本木の外国人客らが取り囲む。チャン・グンウォンは札束をばらまいて買収しようとするが、外国人客らに包囲されパトカーで連行される
→「六」葵が六本木の脇道に逃げ出すと龍河が追いつき殴打。葵は助けを求めるが、日本人の通行人は怖がり後ずさり。自転車に乗った警察官が龍河に迫りパトカーで連行される

・「梨」セロイがイソに謝りながら頭を何度もなでて抱きしめる
→「六」新が葵を抱きしめ頭を1回なでる

・「梨」チャン・グンウォン逮捕のニュースが高速バスターミナル待合室のテレビで放映される
→「六」龍二逮捕のニュースがビル街のモニターで放映される。学生がバスケットコートに集まりスマホで龍二の自白を聞いている

・「梨」元刑事のオ・ビョンホンがトラックの運転席でチャン・グンウォン逮捕のラジオニュースを聞いている
→「六」元刑事の松下が自宅で娘と食事しながら龍河逮捕のテレビニュースを見ている

・「梨」チャン会長が会長室に現れた長男のグンウォンを何度も激しくビンタ
→「六」同上。龍河の頭を書類で何度もたたく

・「梨」元刑事のオ・ビョンホンの娘が行方不明に。田舎の住宅街にある児童公園で発見される
→「六」元刑事の松下の娘が行方不明に。緑豊かな山間部の池にかかる橋で発見される。

・「梨」チャン会長が会社設立の理由をオ・スアに説明。「4人兄弟で生まれ末っ子は飢え死にし、道端の腐ったものを食べて二番目、三番目の弟たちが死んだ」
→「六」長屋会長が会社設立の理由を楠木優香に説明。「4人の兄弟の長男だ。ひどく貧しい家で親は蒸発。家族を飢えさせないよう死に物狂いで生きてきた」

・「梨」セロイがグンスに会長解任について心境を説明。2人は立っている
→「六」新が龍二をテーブルに座らせ会長解任について心境を説明。

・「梨」会長室でチャン会長が長男のグンウォンをハグする。室内にはオ・スアがいる
→「六」会長室で長屋会長が長男の龍河をハグする。その後、室長と優香が会長室に入ってくる

・「梨」セロイが長家本社へ。チャン・グンウォンと出くわし一悶着。セロイが時計を見ると午前11時10分
→「六」同上。新が時計を見ると午前9時10分

・「梨」チャン会長が謝罪会見。背景に「国民の皆さんに深くお詫びします」と書かれた大看板
→「六」長屋会長が謝罪会見。背景に看板はなし

・「梨」車から走って逃亡したチャン・グンウォンが汗だくで本社に現れる。ネクタイは外している
→「六」同上。ネクタイはそのまま

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