NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演中で、「リーディングセッションVol.16」（8月28日夜、午後6時30分と午後9時15分からの2公演、BODY&SOUL 新渋谷公園通り店）を主催する俳優の高嶋政伸（55）は、クロスカントリー車の愛好者。気に入ったクルマは長く乗り続け、ランクル70は排ガス規制でも手放さず、今のフォルクスワーゲン・トゥアレグV8は20年。父・高島忠夫さんから5か月の次男まで、親子三代で1台のクルマを楽しんでいる。（取材・文＝平辻哲也）

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　自動車免許を取得して、初めて購入したのはトヨタ・ランドクルーザー70のディーゼル車だという。ランクル70は日本が世界に誇る高級クロスカントリー車。1951年に警察予備隊への納入を狙って、トヨタがジープを手本に開発。入札は三菱ジープに破れたが、53年から本格生産を開始し、約70年の歴史を持つ。70系は40系の後継車で、84年11月に登場。2004年に国内での販売を終了したが、14年には発売30周年記念復活記念モデルが発売される根強い人気を誇る。

「その頃、4WDのクルマって、まだそんなに世に出てなかったんですよ。4WDなら、河原に行ったり、どんな道でも走れる。若い頃はキャンプもしたり、散々楽しみましたね。でも、ディーゼルの排ガス規制（2003年、東京・神奈川・埼玉・千葉）に引っかかってしまったんです。でも、手放したくなくて……」。

　ランクル70は親しくしている名古屋在住の俳優の神戸浩に買ってもらった。「名古屋ではまだ排ガス規制が出てなかったのです。『3000円で』って言ったら、『じゃあ買います』って。神戸さんは大事に乗ってくれて、数か月に1回、名古屋から家に来てもらって、乗らせてもらっていました。久しぶりに会うと、親友との再会みたいな感じなんです。なにしろ10年以上乗っていたので、貼ったステッカー、その匂いに思い出が詰まっていたから。でも、名古屋でも排ガス規制が出てしまって、廃車にせざるを得なかったんだけど、その時も、廃車にする前にわざわざ神戸さんは乗ってきてくれて、『じゃあね、ありがとう』と言って、お別れしました」。

　次に乗ったのは、ガソリン車のジープ・チェロキースポーツクロス。「当時はものすごい円高で、1ドル78円くらいだったので、すごく安く買えたんですよ。ジープは顔が好きなんですよね。でも、故障しちゃって、両親（高島忠夫、寿美花代）もだいぶ老いてきたので、後ろのシートがゆったりしているのがいいなと思って、乗り換えたんです」。

　3代目はフォルクスワーゲンのトゥアレグV8。「2002、03年頃から乗り続けているので、もう20年くらいは乗っているんじゃないかな。乗り心地がすごくいいんですよ。両親もよく乗せましたし、今は子供（5歳の長男＆5か月の次男）を乗せて出かけています。まだ息子は小さいけど、『大きくなったら、お前にやるよ』と言ったら、喜んでいました」。

　遠出をすることはないが、休日は家族で千葉のマザー牧場やディズニーランド、ディズニーシーに出かけている。「顔がいいんですよ。両足でしっかり立っているような感じも好きで、何かあったときに力になる。頼りになる車が大好きですね」。政伸にとって、クルマは相棒のような存在のようだ。

□高嶋政伸（たかしま・まさのぶ）1966年10月27日、東京都出身。NHK連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」（88）でデビュー。90年に放送開始したTVドラマ「HOTEL」は、2002年まで続く人気シリーズとなった。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演中。近年の出演映画として「臨場-劇場版-」（12）、「暗殺教室」（15）、「エイプリルフールズ」（15）、「ラプラスの魔女」（18）、「響-HIBIKI-」（18）、主演作「アパレルデザイナー」（20）、「犬鳴村」（20）、「仮面病棟」（20）、「ボクたちはみんな大人になれなかった」(21)など。8月28日には「リーディングセッションVol.16」（夜2公演、BODY&SOUL 新渋谷公園通り店）を主催する。

※高嶋政伸の「高」の正式表記ははしごだか