重岡大毅主演「雪蟹」の原作者、Gino0808さんの素顔 ペンネームの由来 好きな漫画家

ジャニーズWESTの重岡大毅が主演を務めるテレビ東京のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜、深夜0時12分)は、冤罪により人生が狂い自殺を決意した男と、雪女を彷彿(ほうふつ)とさせる謎多きセレブ妻(入山法子)の二人旅を描く物語。原作者の漫画家・Gino0808(ぎのぜろはちぜろはち)さんが、ベールに包まれたプロフィールを明かし、ドラマへの思いを語る。

「雪女と蟹を食う」への思いを語った原作者の漫画家・Gino0808【画像:(C)Gino0808】
「雪女と蟹を食う」への思いを語った原作者の漫画家・Gino0808【画像:(C)Gino0808】

漫画家・Gino0808さんインタビュー「本当にラストまで楽しみ」 映画化も期待

 ジャニーズWESTの重岡大毅が主演を務めるテレビ東京のドラマ24「雪女と蟹を食う」(毎週金曜、深夜0時12分)は、冤罪により人生が狂い自殺を決意した男と、雪女を彷彿(ほうふつ)とさせる謎多きセレブ妻(入山法子)の二人旅を描く物語。原作者の漫画家・Gino0808(ぎのぜろはちぜろはち)さんが、ベールに包まれたプロフィールを明かし、ドラマへの思いを語る。(取材・文=平辻哲也)

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 原作と映像化作品は必ずしも幸福な関係ばかりではない。原作者から見れば、「こんなはずじゃなかった」というケースも少なくない。映像化作品に原作者がコメントを寄せていれば、それは良好のサイン。「雪蟹」では、Gino0808さんが大絶賛の言葉を贈っている。

「凄い~! 私が思い描いていた雪蟹の世界観空気感が丸ごと再現されています! 監督さん、プロデューサーさん、演者さん、スタッフの皆さんがこの作品にどれだけ力を入れてくれているのか伝わってきて原作者としてとても幸せです!」(6月26日、ツイッターより)。

 このドラマの原作である「雪蟹」は、冤罪で人生を台無しにされ、死を決意した男・北がやけくそで強盗に入り、そこで出会ったワケアリ風謎の美人妻・彩女とふとしたことから北海道の蟹を食べに行く旅をするストーリー。男性の妄想を具現化したような物語で、豊満なバストのヒロインとのエロチックなシーンも満載。

 原作者はてっきり男性だと思っていたが、Gino0808さんは若い、かわいらしい女性だ。その素顔を明らかにしていないが、「8月で30歳になります。みなさん驚かれますね。『35歳ぐらいのおじさんが描いていたと思った』って」と笑い。

「2018年の頃、あんまり仕事がなく、貯金が50万円を切って、まずいなって思ったときがあったんです。このままだったら、死んじゃうなぁって。そのときに、いろんな妄想をしたんです。強盗したらどうか、もし強盗が入ってきても、こんな対応したら、命が助かるんじゃないか、と」

 つまり北も彩女も、Gino0808さん自身を投影したもの。舞台となる地はほとんど取材旅行し、緻密に再現している。ちなみに、ラブシーンはAVなどを参考にしているとか。自身初のドラマ化では、脚本を事前に読み、ポスター撮影や北海道ロケにも同行。出演者にサイン色紙を手渡して激励した。

「今後の漫画にも役立つと思ったので、見学させていただきました。本当に一丸となって、物語を作り上げていく空気を感じました。普段は一人で描いているので、チームで作業するのが素晴らしいなって。重岡さんは役者生命、アイドル生命をかけてやっていることが伝わる演技。本当に引き込まれました。ドラマの彩女さんは女性がより感情移入できるようになっていて、ベストな配役だったと思っています」

ペンネームは本名の一部 中学時代から青年漫画家を志望

 彩女は男性の妄想のすべてをつぎ込んだような理想の女性だが、Gino0808さんに言わせれば、その解釈はちょっと違う。

「彩女さんは執着心が強く、愛情深くもある。それがちょっと怖い(笑)。そういう部分は私に限らず、すべての女性に共通する、怖い部分。彩女さんは男性の理想のような女性を演じているけど、結局、自分のエゴで動いている。そういうところはちょっと恐ろしい女性でもあるんです」

 明らかにされていないプロフィールも聞いてみた。ペンネームは本名の一部を取って、検索エンジンに引っかかるように誕生月の8月をナンバリングしたもの。「作者の名前、印象、性別があまり想像できない方が作品の中に入ってくれるんじゃないかなと思い、ちょっと謎めいた感じにしました」。

 好きな漫画家は「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行さん、「HUNTER×HUNTER」の冨樫義博さん、「ソラニン」の浅野いにおさん、「NANA」の矢沢あいさん。中学時代から青年漫画家を志望した。

「話が入り組んでいて、その中に人間の本質を突く作品が好きで、いつかそんな漫画を描きたいと思っていました。山口から帝塚山学院高等学校(大阪市住吉区)の漫画コースに進み、大阪芸大に通ったんですけど、親から『4年間学費出せないよ』と言われて、1年でやめちゃったんです。そしたら、『2年だったら出せる』と言われたので、大阪芸大の短大に行ったんですが、それも1年でやめてしまったんです。その頃から仕事を受けていたので、食べていけるなら、卒業しなくていいかなって」

 目下執筆中の「童貞噺」は折り返し地点。次回作の構想もある。「1本は今までやったことのないファンタジー。もう1本は現実をもっと突き詰めていくような話」と明かす。

 仕事場は自宅。「ギリギリまでいろんなところに(取材に)出かけて、ネームに取り掛かります。こもっているときはたまに料理したり、UberEatsを取ってみたり。アシスタントさんにも週1回ずつ入ってもらいますが、Skypeで打ち合わせて、後はデータでやりとり。コロナ以前からずっとリモートでやっています」。

 本業のかたわらも、ドラマの反響は気になるようだ。「エゴサ(エゴサーチ)ばかりするから、最近疲れちゃって(笑)。見ないようにしても、寝る前のちょっとした時間にどうしても見ちゃいますね。好意的な感想がほとんどなのは役者のお二方の力。本当にラストまで楽しみだし、最終的には1本の映画になるんじゃないかなと思って、ワクワクしています」と期待している。

□Gino0808(ぎのぜろはちぜろはち)1992年8月、山口県防府市出身。帝塚山学院高等学校イラスト・マンガ・アニメ専攻の1期生。大阪芸大中退、大阪芸大短大中退。代表作は「蝉の鳴く頃」「童貞噺」「雪女と蟹を食う」「エゴイストブルー」。

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