家族のあり方を問う…水橋研二が映画「カゾクデッサン」に主演して感じたこと

「カゾクデッサン」(C)「カゾクデッサン」製作委員会
「カゾクデッサン」(C)「カゾクデッサン」製作委員会

水橋「何気ない会話をしているうちに、カメラが回っていた」

――撮影はいつ、どこで行ったのですか。

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今井監督「2018年5月。ゴールデンウイーク明けから11日間でした。都内の浅草橋周辺を中心に、八王子、立川、埼玉など。制作スタッフがいい場所を見つけてくれました」

水橋「現場は楽しかったですね。監督とは常に喋っていました。一般映画では、撮影が終わって、そのままバイバイというのが普通なんでしょうけども、撮影が終わってもみんなと一緒にいたいと思いましたし、実際、飲みに行った日もありました。撮影期間は剛太の人生を生きている感じがありました。そんなことが映画の空気にも出ているんじゃないかな。撮影中も、家族っぽい雰囲気が入ってきたり、監督が脚本も書かれているので、その場で直したりすることもありました」

今井監督「それぞれの役についてはしっかりバックストーリーを作っていたのですが、それを全部説明して押し付けてしまうと面白くないので、ある程度は役者さんに託しました。説明的なセリフもあったんですが、言葉にするとつまらなくなってしまうので、編集段階では大胆に切りました」

――主演は背負うものや思いが普段とは違いますか。

水橋「それはそんなになかったかな。共演には(恋人役の)瀧内さん、(元妻の現在の夫役の)大西さんがいましたし、現場では監督が中心にいて、段取りをやりながら、役者、撮影部、録音部のみんなが意見を出していました。僕が『どうの、こうの』と言うより、部署を超えてみんなで作ったような感じでした。長回しも多くて、やりやすかった。『用意、スタート!』という掛け声の前から演技を始めてもいい、という空気もあったのがよかったです。バーで洗い物をしながら、何気ない会話をしているうちに、カメラが回っている。こんなことはテレビドラマの現場にはあまりないことです。自主映画の素晴らしさを感じました」

――監督は製作面だけではなく、配給・宣伝まで手掛けました。今後、どんな映画を作りたいですか。

今井監督「映画の入り口から出口まで一通り見ることになりましたので、今後のキャリアの糧になると思っています。僕は街を散策するのが好きで、人通りの多い街路を歩きながら、いつか市井の人に贈る詩のような映画が撮れればいいなと、よく夢想していました。これからも市井の人の輝きを捉えた映画を撮っていければと思います。今生きている時代の良い語り部になりたいです」

「カゾクデッサン」は3月21日より新宿 K’s cinemaほか全国順次公開。

□水橋研二(みずはし・けんじ)1975年1月13日生まれ、東京都出身。映画「331/3r.p.m」でデビュー。「月光の囁き」で注目を集めた後、「ロックンロールミシン」、「はらはらなのか」など多数の映画、ドラマ、舞台に出演。またアニメ「秒速5センチメートル」で声優を務めるなど幅広く活躍する。

□今井文寛(いまい・ふみひろ)1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、CM撮影スタジオに入社。スタジオマンとして働く。スタジオ退社後、フリーランスの照明部として活動。その傍ら、緒形拳主演の「ミラーを拭く男」などの映画に助監督として参加。2010年に脚本・監督した短編映画「ナポリタン、海」がショートショートフィルムフェスティバル&アジア2011、ジャパン部門に入選。

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