女優・仲間由紀恵が、主人公・比嘉暢子（黒島結菜）の母・優子役で出演するNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」（月～土曜、午前8時）共演者の印象や子持つ母としての思いなどを語った。作品では、家族に迷惑をかけてばかりいる頼りない比嘉家の長男・賢秀（竜星涼）に対し、優しすぎる母親として描かれている。

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「最近の評判として、そういう声があることは認識してまして、間違ってはいないと思います。ですが賢秀は、比嘉家の長男で、3人の妹たちをとにかく自分が守らなければいけないという責任感がある子。比嘉家のみんなを幸せにするため、どうしたらいいかを、ずっと模索し続け、まだ長い旅をしている子だと思っています。家族のために苦労してきた母や妹たちのために自分が何とかしなくてはいけないという思いが根本にあることを、優子はよく分かって、感じていると思うので、賢秀が頑張って、いろんなことに挑戦することに対し、一生懸命に応援したくなる図式なのです」

　もし、仲間由紀恵として賢秀にアドバイスするなら何と言うのだろう。

「もう大丈夫じゃないですか（笑）。大丈夫ですよ。賢秀はあんな調子ですが、根本でしっかりしたものがあります。苦労する道を自分で選んでいますが、みんなが幸せになるにはどうしたらいいかを常に考えている子。きっと大丈夫だと私は思っています」

　主人公である次女・暢子とそれを演じる黒島の印象も紹介。

「とにかく、まっすぐなところが暢子のいいところ。周りの人たちもいいところを分かってくれて支えてくれる。そういうふうに愛されている子。結菜ちゃんは、役に対し誠実に向き合っていて、主役という大役で緊張もあるでしょうが、現場では明るく、誰に対しても親しげに声をかけています。とても誠実さを感じます」

　長女・良子（川口春奈）、三女・歌子（上白石萌歌）の印象も紹介。

「良子はとてもしっかりしていて、ニーニー（兄）が頼りないから私が頑張らないと、と思って好きなことも我慢して生きてきた子。とても頼りになる愛らしい子。演じる川口さんは女優さんとして素晴らしいです。良子という役をきちんととらえて、憑依（ひょうい）するように演じていらっしゃいます。とても自然な形で演じているのがすごいです。歌子は自分の体が弱いことを気にしていて、やりたいことが自分にできるか不安でもんもんとしている子。萌歌ちゃんは、歌子より明るい強さがあります。とても明るくて、目上の人にも子役の子にもどんどん自分から話しかけていくタイプ。意外なイメージで驚きました。役に入ったときのギャップもいいですよね。すてきな女優さんだなと思います」

　仲間自身も実生活で母親。作品で母としての体験が生きていることはあるのだろうか。

「子役が演じる子ども時代からみんなの成長を見ていますので、私の中では、あんなに小さかった子たちが、いろんな壁を乗り越えて、それぞれ自分のやりたいことを見つけて足を踏み出している。そういうことを思うだけで泣けてきます。この子たちの長い人生を見てきているという気持ちが自然と自分の中にあるので、頑張っている姿を見るだけで気持ちがジーンとくるところはあります」

　自然に母性本能が芽生えてくる感じなのか。

「これだけ長い時間いるので愛情も母性も、気持ちが完全にみんなにあるという実感があります」

　良子の出産シーンでは、仲間が川口にアドバイスしたとされる。

「経験はしているので、妊娠中の動き方というか、体のどこが重く、どこがだるいというのは体験があったので、できる限りを春奈ちゃんにお伝えしました。彼女は、すぐに取り込んでいました。素晴らしい妊婦さんでもあったし、出産シーンも頑張ってやっていました。私の分かる限りのことを情報としてお伝えしたことがあります」

「愛情も母性も、気持ちが完全に比嘉家の子どもたちみんなにある」という言葉が印象的。子を持つ母としての仲間に湧き上がってくる自然な感情なのだろう。劇中でも子どもたちを見つめる何げない姿に本当の母のような慈愛をしっかりと感じる。