大谷晋二郎負傷、対戦相手の苦悩 杉浦貴「ボクの技でケガ、本当に申し訳ないです」

4月10日の試合中に頸髄損傷の重傷を負ったプロレスラー・大谷晋二郎の支援大会「押忍プレミアム 大谷エイド」が4日、東京・大田区総合体育館で開催された。イベント終了後には大谷負傷時の対戦相手だった杉浦貴が口を開き、苦しい胸の内を明かした。

「大谷エイド」の試合後、取材に応じた杉浦貴【写真:山口比佐夫】
「大谷エイド」の試合後、取材に応じた杉浦貴【写真:山口比佐夫】

「大谷エイド」開催 気丈にメインのリングに上がる

 4月10日の試合中に頸髄損傷の重傷を負ったプロレスラー・大谷晋二郎の支援大会「押忍プレミアム 大谷エイド」が4日、東京・大田区総合体育館で開催された。イベント終了後には大谷負傷時の対戦相手だった杉浦貴が口を開き、苦しい胸の内を明かした。

 止まった時計の針を動かそうと必死だった。杉浦が重い口を開き、頭を下げた。

「4月10日です。両国の大会で大谷選手と試合をして、ボクの技で大谷選手がケガをしてしまって、これについて大谷選手に申し訳なく思っております」

 事故から55日がたっても、あの日のことを考えなかった日はない。大谷は杉浦のスープレックスでコーナーに叩きつけられ、その後、動くことができなくなった。事故原因はまだ究明中だ。誰も杉浦を責めてはいないが、自責の念がこみ上げた。

「何より大谷選手のご家族にご心配とご迷惑をおかけしたままで本当に申し訳ないです」

 大谷は現在も首から下がまひ状態にある。この日は大谷の妹の葉月さんから、看護師が聞き取って作成された大谷の手紙が代読された。

 リング上の事故は、対戦相手も、はかり知れない心の傷を負う。

「ボクなりにどうしていけばいいかを考えたんですけど、今日みたいな大会があればプロレスラーとしてお手伝いしたい、できればいいなと思って、出場させてもらいました。今後も力になれるなら、ご協力させてください。これは本当にお願いします」と声を絞り出した。

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