女性週刊誌ウェブ担当者の本音とは 「精度をより高める」責任感、PV数のストレスも

「水面下で動いている施策もあります」

 世間一般からはネガティブなイメージを持たれている週刊誌について、彼に質問をぶつけると、「週刊誌は、みんなが思っていること、気になっていることに答える代弁者だと思っています。とりわけ事件については、新聞やテレビで報じない、事件の背景や犯人の事柄を伝える。それは週刊誌にしかできない。人の興味は変わらないものだし、いろいろな人が読めば反感も出てくるのは仕方がないと思っています。さまざまな意見はあると思いますが、自信を持ってやっています」と強調する。

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 そのために、強く意識しているのが、記事の正確性だという。「メディア全体が紙からデジタルに移る中で、広がり方が尋常じゃないところがあります。昔は『飛ばし』みたいな記事があったのかもしれないですけど、それはメディアが自らの首を絞める行為。ファクトがある記事が当然なので、取材を含めて精度をより高めています」

 ネットニュースは“軽いもの”として受け取られがちだ。「もちろん週刊誌もちゃんと作っていますが、週刊誌よりもちゃんとしなきゃいけないのがウェブ。一度配信した記事には責任を取らなければいけません。もし記事に間違いなどがあって訂正したとしても、その訂正をすぐに検証されてしまいます。スピード感をもって記事を量産しないといけないのですが、緊張感を持って取り組んでいます」と語る。

 ネットメディアである以上、PV数は重要で、プレッシャーにもなる。「ある種楽しいのですが、結構ストレスにはなっています。雑誌はさまざまな企画で構成されているので、売れなかった場合は何が原因かは分からないです。しかし、ウェブ配信は個々の記事に対して成績がつきます。配信した直後のPV数を『初速』と呼んでいるのですが、初速である程度PVのボリュームを予想でき、それが1時間後には具体的な数字として見えてきます。今まで紙の編集者では得られなかった体験です。もちろん、責任が問われる仕事であることも感じています」と、本音を明かした。

 同社は21年10月に新しいウェブメディア「fumufumu news」(フムフムニュース)をローンチするなど、新機軸を打ち出している。今後をどう見据えるのか。「PVは外的要因に左右される側面があり、大きいニュースがないと数字が落ちしてしまい、振れ幅が大きい。ある種の限界も感じています。ニュースではない分野で、安定して収益を得られるベースを作っていかなければならないです。コンテンツを制作するノウハウはあるので、それをデジタルで最大限生かす。そのための人材を増やしていかないと、と思っています。水面下で動いている施策もあります」と話している。

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