SKY-HI、1億円出資「THE FIRST」の裏にあった過去の経験「すべてのトラウマに感謝」

どこまでもストレートに自然体でつづったエッセイ【写真:大野 隼男(えるマネージメント)】
どこまでもストレートに自然体でつづったエッセイ【写真:大野 隼男(えるマネージメント)】

トラウマが執念につながって『THE FIRST』として実を結んだ

――「THE FIRST」で印象的だったのは、「自分が間違っていたかもしれない」、「(音楽を)やめないで」といったステージを去る人にかけてあげた言葉の数々でした。そこには彼らと同じ年齢だった頃に悩み、もがいていた過去のご自身に対しても同時に語り掛けているような、そんな印象がありました。

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「本当にその通りなんです。番組内でも言ったかもしれませんが、過去の自分を救う方法って過去の自分みたいにならないように誰かを救ってあげることだとある時に気が付いたんです。過去の自分みたいな苦い思いをして欲しくない。『THE FIRST』を通して、そういう才能を持った人を1人でも救いたいという気持ちがありました」

――「人間が人間を集めて人間を落とすという業の深さを実感した」と語っていましたが、同時に若い頃のトラウマと向き合っていたんですね。

「やっぱりトラウマって馬鹿にできないなと思いましたが、トラウマが執念につながって『THE FIRST』として実を結んだと思っているんです。だからすべてのトラウマに感謝しています。トラウマっていつかちゃんと受け止められる日がくると僕は思っています」

――そこで誕生した7人組ボーイズグループ「BE:FIRST」のプロデューサーとして大切にしていることは?

「当たり前のことですが、『なんとなくやらない』ってことです。特に『BE:FIRST』みたいなグループは『誰が、どんなメロディーを、どういった歌詞で歌うのか』といった、細かいところまで意味を持たせることがとても大切になってくるんです。そこはソロアーティストと違うところで、単純に均等に分けただけではダメなんですよ。だからいつも曲の細かい部分まで神経をとがらせて作っています」

――「THE FIRST」で1億円を超えるポケットマネーを出資したことでも話題になりました。そこで最後に「SKY-HIさんにとってのお金の価値とは?」という質問をさせてください。

「自分が思うお金の価値ですか……なんだろう? 僕は金満主義とか拝金主義に対してものすごくアンチテーゼを持っているんです。お金があればできることの可能性は広がるんだろうけど、お金がなくてもそれに代わるやり方を考えれば、なんでもできるし。お金っていうのはお金でしかないから、良くも悪くもそういった手段の1つに過ぎないと思います。

 じゃあなぜ1億円以上出せたかというと報酬に伴う成績を多方面で出していたからで、感謝と誇りはあります。が、稼ぎ方以上に使い方を大事にしたい。いろんな人に助けてもらいながらなんだかんだでやらせてもらいましたが、もし1億円のお金がなかったとしても規模が小さくなるだけで『THE FIRST』自体はやっていました」

□SKY-HI(スカイ・ハイ)2005年、AAAのメンバーとしてデビューし、同時期から「SKY HI」としてマイクを握り都内クラブなどで活動をスタート。卓越したラップ&ダンス&ボーカルスキルと豊かな音楽性、ジャンルの垣根を越えた存在感から他に類を見ないパフォーマンスを見せてくれる。自身が紡ぎあげる楽曲の詞にはリリシストとしての力量を遺憾なく発揮し、オリジナリティーあふれる世界観と完成度が毎回話題になり、音楽業界内外からも注目を浴びエンタテイナー・SKY-HIとして名を轟かせている。22年4月15日自身初のエッセイ「晴れるまで踊ろう」発売。

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SKY-HI公式HP:https://avex.jp/skyhi/
BMSG:https://bmsg.tokyo/
エッセイ「晴れるまで踊ろう」
著者: SKY-HI
発売:4月15日
定価:1650円(本体1500円+税)

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