“最強の闘犬”ピット・ブル脱走 専門家が警鐘「犬種関係ない。20キロあれば人殺せる」

千葉県市川市で6日、犬のアメリカン・ピット・ブル・テリアが脱走、7日朝に無事捕獲された。ブルドッグとテリアの血筋を引いた闘犬用の犬種で、その闘争本能の高さから「世界最強の闘犬」とも称されるピット・ブル。飼育する上ではどのような注意が必要なのか。動物研究家で闘犬や猛獣にも詳しいパンク町田氏に聞いた。

取材に応じた動物研究家のパンク町田氏
取材に応じた動物研究家のパンク町田氏

「世界最強の闘犬」とも称されるが、意外にも大型より中型犬の部類に属する

 千葉県市川市で6日、犬のアメリカン・ピット・ブル・テリアが脱走、7日朝に無事捕獲された。ブルドッグとテリアの血筋を引いた闘犬用の犬種で、その闘争本能の高さから「世界最強の闘犬」とも称されるピット・ブル。飼育する上ではどのような注意が必要なのか。動物研究家で闘犬や猛獣にも詳しいパンク町田氏に聞いた。

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 報道によると、ピット・ブルは6日、予防接種に訪れていた動物病院で飼い主が首輪を外した際に脱走。全長130センチほどで、付近には小学校もあり、警察による捜索の末、7日朝に捕獲されたという。「世界最強」ともいわれる犬種だが、どのくらい危険なのか。パンク氏によると、意外にも大型より中型犬の部類に属するという。

「ピット・ブルは体重30キロほどの中型犬。犬種ごとの大きさでいったら、上から50番目にも入りません。では何が強いのかというと、自分より大きい相手、強い相手にも果敢に闘い続ける不屈の闘志。同じ大きさ、階級の中でなら今でも世界最強ですが、現代は品種改良が進んでおり、100キロを超えるような大型犬にはさすがに勝つのは難しいでしょう」

 闘争本能が高いため、一度興奮すると手が付けられなくなることもあるが、正しく飼育すれば人を襲うことは少ない犬種だという。危険な犬というイメージはなぜついたのか。

「問題は育て方です。僕も6頭飼育していますが、うれしいときは伏せるということを徹底して教えています。ピット・ブルはその不屈の精神がアメリカンスピリットにも通じ、海外ではアウトローからの人気が高い犬種。警察犬のように腕に防護衣をつけて人をかむことを教え、番犬のように育てる不良が多かった。こうなるともう猛獣と一緒です。ただ、ピット・ブルに関わらず20キロ以上の犬はどれも人を殺せる能力があると思った方がいい」

 国内では動物愛護管理法で2020年からトラやクマ、ワニなど猛獣をペットとして飼育することが禁止となった。一方で大型犬に関しては一部の自治体を除き規制がほぼないのが現状だ。大型犬を多数飼育するパンク氏も、何らかの規制を設けるべきという意見には賛同する。

「犬種によってというのはナンセンス。大きさや体重で、例えば30キロ以上で年に一度の講習、30キロを5頭以上飼育で保健所の立ち入りなど、資格制にするのがいいのではないでしょうか。大型犬は危ないから飼うなというのは暴論ですが、飼い主にも危なくないように正しく飼育する義務がある。犬が人を襲ってけがをさせてしまったり、殺してしまったりという事故は実際に起きている。いずれはそういった規制を設けていかなければダメだと思います」

次のページへ (2/2) 【写真】愛犬のピット・ブルを訓練するパンク町田氏
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