高橋優「何が自分なんだろう?」 人気の裏で抱えた悩み、実家に帰ると山積みのサイン色紙

自分自身を知る大きなターニングポイント

「結論として僕が出した答えは『有名人になったんじゃなくて知り合いが増えたんだ』ってそう思うようにしたんです。もちろんそれは特殊な状況です。だって僕は相手のことを知らないのに相手は僕のことを知っているんですから。それが前よりもはるかに増えてきた。考えるまでもなく僕自身、オンとオフの大きな違いはないんです。もともとそういうスタンスでこの世界に入ってきたから別にいつどこで誰に見られていようがどう振舞おうとか、そんな過剰な意識を持たずに『知り合いが増えたんだ』と思えばいいんだって」

 そう結論付けた瞬間に気持ちが楽になったという。姪っ子と歩いていようが、普段スーパーでどの野菜を買おうかと迷っていても。

「でも『今日はどの野菜を買おうかな?』ってめちゃくちゃ悩んでいるところを見られたらそりゃあ恥ずかしいですよ(笑)。僕は、なんとなくそのスタンスは変わらない方が良いなと思っていて。確かにちょっと浮き足立って一瞬ふわふわした時期もありましたけど、今は全然知らない人から『あれ高橋優だ!高橋さーん!』って声をかけらたら平気で手を振って返しますから。今日はやけに声を掛けられるなと思ったら、メガネをかけたまま街を歩いていたとかね(笑)」

 10周年の締めくくりとして開催した2日間にわたる日本武道館公演。ステージの真ん中にいる高橋をお客さんがぐるりと囲んだ。これまで何度かステージに立った聖地。しかし彼にとって会場の規模はあまり重要ではないという。

「もちろん、誰にとってもあこがれの会場です。ただ、ああいう大きなステージは僕1人で作れるものではありませんから。大勢のスタッフ、関係者の皆さんが動いて協力してくださったからこそ、僕があそこに立てたんです。だから自分が何かを成し遂げたという気持ちはなくて。路上ライブの時のあの感覚とそんなに変わらないかもしれないですね」

 最後に歌い始めた頃に掲げた目標を振り返ってもらった。

「『職業はミュージシャンです』って名乗れるようになることが初めの目標でした。音楽1本でご飯を食べていける程度の収入さえあれば、『僕はミュージシャンです』って名乗れる。そんなことをデビュー前に考えていました。今ですか? もちろん今も変わりませんよ(笑)」

□高橋優(たかはし ゆう)1983年12月26日生まれ。秋田県横手市出身のシンガー・ソングライター。札幌の大学への進学と同時に路上での弾き語りを開始。2010年にシングル「素晴らしき日常」でメジャー・デビュー。20年にメジャーデビュー10周年を迎え、7thアルバム「PERSONALITY」をリリース。そして、東京五輪で金メダルをつかんだ「侍ジャパン」野球日本代表に密着したドキュメンタリー映像「侍たちの栄光 ~野球日本代表 金メダルへの8か月」のテーマソングである、新曲「HIGH FIVE」を22年2月25日に配信リリース。

高橋優公式HP:https://www.takahashiyu.com/
ツイッター:https://twitter.com/takahashiyu
インスタグラム:https://www.instagram.com/takahashiyu_official1226/
YouTube:https://www.youtube.com/takahashiyu

高橋優スタイリスト:上井大輔
高橋優ヘアメイク:眞弓秀明
シャツ¥29700、靴¥59,400(共にSHAREEF/Sian PR 03-6662-5525)、パンツ¥29700(Iroquois/IROQUOIS HEADSHOP 03-3791-5033)、ブレスレット¥35200(COOTIE PRODUCTIONS/COOTIE FLAGSHIP STORE 03-6809-0090)その他スタイリスト私物
※価格は全て税込

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