結婚相談所が今、アツい コロナ禍で20代女性の割合急増のなぜ…大手担当者が解説

オフィスのリモートワークや飲食店の営業自粛など、長引くコロナ禍の影響で出会いの場が減少するなか、結婚相談所を利用する男女が増えている。業界最大手の「ZWEI(ツヴァイ)」では昨年、前年比1.7倍の新規入会者数を記録。20代など、若年層の利用者も急増している。マッチングアプリなど手軽な出会いの手段も広がるなか、なぜ今結婚相談所の需要が高まっているのだろうか。ツヴァイCS本部の田邉雄大部長に聞いた。

20代の結婚相談所利用者が急増(写真はイメージ)【写真:写真AC】
20代の結婚相談所利用者が急増(写真はイメージ)【写真:写真AC】

業界最大手のツヴァイでは昨年、前年比1.7倍の新規入会者数を記録

 オフィスのリモートワークや飲食店の営業自粛など、長引くコロナ禍の影響で出会いの場が減少するなか、結婚相談所を利用する男女が増えている。業界最大手の「ZWEI(ツヴァイ)」では昨年、前年比1.7倍の新規入会者数を記録。20代など、若年層の利用者も急増している。マッチングアプリなど手軽な出会いの手段も広がるなか、なぜ今結婚相談所の需要が高まっているのだろうか。ツヴァイCS本部の田邉雄大部長に聞いた。

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「東日本大震災のときもそうでしたが、コロナ禍で社会情勢が不安定となるなかで、パートナーを得たいという需要そのものが高まっているのです。コロナ禍初期の2020年当初は外出自粛の影響で一時的に落ち込みましたが、その後は順調に入会数を増やしています」

 現在ではマッチングアプリなどを使ったネットでの出会いも一般化している。手軽で金銭的負担も少ない類似のサービスがある一方で、なぜ結婚相談所の利用者が増えているのか。

「婚活という言葉が誕生したのが2007年前後で、2008年には現在最大手のマッチングアプリの運営企業が設立しています。マッチングアプリが一般に浸透してきた2015年前後には、弊社も一時的には業績が落ちました。ただ、やはり利用者の層が違うため、必ずしも競合にはならないと考えています」

 一般的なマッチングアプリは運転免許証のコピーなどで未成年でないことさえ確認できれば登録が可能。費用は月額数千円程度、女性無料をうたうものも多く、気軽に好みの異性とやり取りできるのが最大の魅力だ。一方で、メッセージのやり取りを始めてから実際に会い、デートを重ねて交際に至るまでは普通の恋愛と変わらないことに加え、会ってみるまでは相手の素性が分からないというリスクもある。

 対してツヴァイでは、入会時には独身証明書のほか、最終学歴を確認できる卒業証書、年収を確認できる源泉徴収票の提出が必要となり、初期費用で10万円前後、月会費も1万5000円ほどと高額。そのぶん登録者は結婚に対する真剣度が高く、専門のコンサルタントが成婚まで導くなどサポート体制も充実しているという。

「以前は結婚するための“最後のとりで”というイメージもありましたが、今はマッチングアプリが普及したことで、むしろ結婚相談所を利用するハードルが下がっています。弊社の場合も、来店されるお客様の約半数がすでにマッチングアプリを利用しており、アプリからの若年層の流入割合も大きくなっています」

 ツヴァイでは2017年に21.2%、19年に21.3%だった20代利用者の割合が、21年には25.1%に増加。コロナ禍でのマッチングアプリ需要の増加と、それに伴う結婚相談所への流入が理由と分析している。男女比では、40代前半でほぼ半々のところ、年齢層が上がるほど男性の割合が増加、逆に下がるほど女性の割合が増加しており、20代では女性登録者が男性に対して倍以上にも上るという。コロナ禍で需要が伸びていること、若年化が進んでいることを同社はどのように捉えているのか。

「コロナ禍で結婚願望を持つ人が増えて、それに反して出会いの場が減っている。そんな状況のなかで弊社サービスの需要が高まっているのは喜ばしいことだと思います。20代のお客様が増えたことも今までになかった傾向ですが、一方で年代ごとの男女バランスも整えていきたいと考えております。今後、感染状況が落ち着けばまたリアルの婚活パーティー等にも人が戻ってくる。アプリから流入した20代、成婚率の高い30代40代、オンラインに慣れない50代以上と、それぞれの世代ごとに合ったサービスを提供していければと思います」

 世間では晩婚化も進んでいるが、コロナ禍の影響もあり、意外にも結婚相談事業は盛況なようだ。

次のページへ (2/2) 【表】結婚相談所を利用する年齢層
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