【週末は女子プロレス♯32】「わりと現実を見ちゃうタイプ」だった東京女子・瑞希がプロレスに魅了されたワケ

3月19日に東京・両国国技館に初進出する東京女子プロレスが、1月4日の後楽園ホールにて2022年の好スタートを切った。東京女子が「イッテンヨン」と呼ばれるこの日に後楽園にて試合を行うのは、16年から7年連続だ。しかも団体は年々スケールアップしており、聖地での大会開催は今年のイッテンヨンが通算20回目(特に昨年は2連戦を含む8度の開催!)となる。その間、20年11月にTDC(トーキョードームシティ)ホール、昨年10月には大田区総合体育館という大会場への進出も果たした。そして今年は両国にプラスし、10・9TDCホールも決定済みと、東京女子単独でのビッグマッチがますます拡大しているのだ。

瑞希【写真:新井宏】
瑞希【写真:新井宏】

2冠の夢破れる 「すぐには立ち直れなかった」

 3月19日に東京・両国国技館に初進出する東京女子プロレスが、1月4日の後楽園ホールにて2022年の好スタートを切った。東京女子が「イッテンヨン」と呼ばれるこの日に後楽園にて試合を行うのは、16年から7年連続だ。しかも団体は年々スケールアップしており、聖地での大会開催は今年のイッテンヨンが通算20回目(特に昨年は2連戦を含む8度の開催!)となる。その間、20年11月にTDC(トーキョードームシティ)ホール、昨年10月には大田区総合体育館という大会場への進出も果たした。そして今年は両国にプラスし、10・9TDCホールも決定済みと、東京女子単独でのビッグマッチがますます拡大しているのだ。

 そのなかでもやはり、「イッテンヨン」は特別な意味を持つ。もともとプロレスファンの初詣とも言える新日本プロレス1・4東京ドームにあやかったものではあるが、今ではこちらの「イッテンヨン」も完全に定着したと言っていいだろう。だからこそ、「イッテンヨン」でのスタートダッシュは今後の方向性を占う意味でも見逃せない。

 今回のメインでは、3度目の戴冠で再び絶対王者への道を歩もうとしている山下実優のプリンセス・オブ・プリンセス王座に、プリンセスタッグ王座戦で山下を直接下した瑞希が挑む図式となった。

 一昨年TDCのメインで坂崎ユカの同王座に挑んだ瑞希だが、「イッテンヨン」のメインは初体験。同王座には通算4度目の挑戦で、20年11月に東京女子所属選手となってからは初めてとなる。現タッグ王者がプリプリ王座も奪取すれば初の2冠王誕生という期待もあった。彼女自身も、勝てば団体のシングル頂上王座初奪取。瑞希の方から挑戦をアピールしたのも初めてなだけに、機は熟したとも考えられた。が、好勝負の末、瑞希は敗れてしまう。

 結果、山下の絶対的強さが改めて浮き彫りになった。試合後には3・26両国での旗揚げメンバー同士によるタイトルマッチ(山下VS中島翔子)も決定した。団体が両国に向けて一気に動き出した一方、瑞希の落胆ぶりは見ている方が心配になるほど。その表情からして、肉体的以上に精神的ダメージが大きいのではないかとも思われた。

「そうですね。次の日くらいまでは落ち込んでて、すぐには立ち直れなかったです。ただ、(敗戦から4日後の)地元・神戸での凱旋興行で吹っ切れました。やっぱり試合をすること、応援してくれる方に会えるって大きいですよね」

 シングルのベルトを故郷に持って帰るつもりが思惑通りにならず、申し訳ない気持ちもあっただろう。しかし、東京女子で2度目の凱旋大会はタッグ王者・瑞希を大歓迎。気持ちを切り替え、前を向くことができたという。いずれはまた、山下に挑むときがやってくる。過去2度ほどシングルで勝っているだけに、決して不可能な話ではないのだ。

「所属になって1年のタイミングもあり、私も東京女子を背負いたいという気持ちになって挑戦しました。私がみいちゃん(山下)に勝って新しい風を吹かせたいとも思ったんですね。でもやっぱり、みいちゃんは強かったです。まだまだ足りないものが多かったから負けたんだと思います。みいちゃんはずっとベルト持ってるし(3度戴冠でトータル16回防衛)、持ってることの大変さもあったと思うんですけど、そういうのも含めてすべてが強さになってるんだなって思いました。私ってチャンスをつかむところまではいくんだけど、あと一歩が遠い。まだまだつかみきれてない。でも、いつか必ずつかまなきゃなって思ってます。応援してくれる方のためにも(プリンセス王座の)白いベルトを巻いた姿を見せたいですね。(インターナショナルのベルトもあるが)取るからにはずっと見てきた、あの白いベルトを取りたいです!」

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