シバターVS久保優太の八百長疑惑にDEEP・佐伯繁代表「相当、大変な話」【RIZIN.33総評・後編】

佐伯繁代表の主催するDEEPは、2022年は2月26日の後楽園ホール大会で開幕する
佐伯繁代表の主催するDEEPは、2022年は2月26日の後楽園ホール大会で開幕する

天心との試合が実現しなかった吉成名高騒動

「Yogibo presents RIZIN.33」に関しては、RIZINラストマッチと銘打った那須川天心の相手を誰が務めるのかが注目され、日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者の吉成名高が候補に挙がっていたが、結局は実現しなかった。実現しなかっただけではなく、お互いの見解の相違が公になり、物議を醸した。

これに関して佐伯代表は「結局は、条件が合わなかったってことでしょ」と話し、以下のように続けた。

「僕らはMMAの試合を主催しているけど、キックボクシングって階級がすごく分かれているじゃないですか。そこは大きな問題なんだと再認識しましたね。MMAとキックでは階級に大きな違いがある」

この点は佐伯代表の言うとおり、競技によって体重に関する認識の違いに大きな違いがあることを改めて認識させられた。

「ただ、吉成選手側は吉成選手側で、自分が譲れないものがあってそれを守ったんだから、それはそれでいいじゃないですか。やっぱり自分が目指しているものが何かってことによりますよね。ムエタイにこだわってやっているんだったら、他の人が何も言う必要はない。目指すものが違うんだから、それはしょうがないと思いますよ、実際には」

とはいえ、「天心ラストマッチ」である限り、あくまで天心がいてこそ成り立つ試合。今回の場合なら、天心側が譲れる範囲を越えた場合は、試合が成り立っていかないのもまたしょうがない話でもあるだろう。

「ただ、RIZINが吉成選手に対して、天心選手の相手にどこかで闘う場面を作りたいと思って、今までそれに向けて話をしていたのは確かですよね」

RIZINではこれまで計4試合、吉成の試合を組んできた。それは来るべき日に備えて、吉成を磨いてきた証拠になる。これについて佐伯代表は、「選手側も、言葉で言うのは必要なんです」と訴える。

「それは僕らも選手に言っているんですよ。『嫌だったら断る勇気を持て』って。だけどね。そんなのRIZINだからみんな悩むんですよ。DEEPだったらすぐ断ってきますよ(笑)」

ここでDEEPを例に出して、自分を下げられる佐伯代表の懐の深さを見たが、それはともかく、佐伯代表は「結果的には天心選手の相手は五味隆典選手でよかったんじゃないの? 大みそからしく派手でよかった気はしますけどね。見応えがあったっていうか。そこは五味選手だなって思いますけどね」と話した。

確かに吉成戦は見たかったが、結果から言えば、五味に収まったことで、大みそからしい「非日常感」は出た気はする。この点に関しては人によって違った感想を持つだろう。

「まあ、榊原信行CEOからすれば、天心VS武尊も成立させたわけだし、今までもいろんなことをやってきた経験もあるから、(天心VS吉成戦に関して)思う通りにならなかった歯がゆさもあると思うしね」

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