「ウルトラマントリガー」坂本浩一監督が語る制作秘話 「最高のチームとの半年間だった」

難しいウルトラマンの声、コツは? 「彼は上手でした!」

 坂本監督いわく、「ウルトラマン」には他の特撮ヒーローとは違った面があると続ける。

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「大きな違いは、等身大ヒーローはキャストが出演するドラマパートの撮影現場にヒーローも一緒にいることなんです。でも、ウルトラマンは巨大なヒーローなので、特撮のセットとの別撮りです。つまり、等身大ヒーローは、キャストが変身したらその場で変わり、怪人と戦いますし、等身大ヒーローとキャストの共演シーンも多かったりします。しかし、ウルトラマンと人間はサイズが全然違うので、『あそこで戦っているから見てー!』と、棒の先端を目線にして想像でお芝居をすることのほうが多いんです」

 さらに新型コロナの影響で、ウルトラマンと怪獣が戦うシーンを、他のキャストは観に行くことができなかった。

「それは本当に残念でした。『トリガー』は闇の巨人が等身大で登場するので、いつものシリーズよりは、キャストのキャラクターとの遭遇率は高かったんです。しかも妖麗戦士カルミラはトリガーのライバルでしたし、3000万年も恨みを持ち続けていてトリガーを狙って来ていますからね」

 話は変わるが、「トリガー」に限らず、ウルトラマンの声は非常に独特の声質だと思う。そもそもウルトラマンは宇宙人なので、地球人の声と違っても違和感はないのかもしれないが、撮影時の難しさはないのだろうか?

「ウルトラマンの独特なかけ声を発するのは難しいですね。アフレコ時に、『ハ行、タ行、ダ行、バ行を中心にやってみて』とか、『もう少し濁音多めで』とかアドバイスしながら収録しています」

 トリガー役を演じた寺坂は? と聞くと、「彼は上手でした!」との返答。

「トリガーは、言葉を話さないウルトラマンなので、掛け声も人間っぽいものよりは、『ダッ!』『デェァ!』みたいな短めな濁音系が多かったですね。結構、最初は戸惑うキャストもいますが、頼我(寺坂)はアフレコの初回からバッチリ決めてくれました。ちなみに宮野真守くんが演じる『ウルトラマンゼロ』は普通に言葉を話すので、戦闘シーンでも『オリャアー!』などの、人間に近いかけ声を使うウルトラマンもいます」

 面白かったのは、この件に関して、希少な才能を持った人物がいたことだった。

「『ウルトラマンジード』の濱田龍臣くんは特別でした(笑)。龍臣くんはジードがタイプチェンジすると、『声を変えていいですか?』、『このタイプはこんな感じでやっていきます!』と、自らさまざまなアイデアを提案して来るぐらいウルトラマンに対する知識が豊富でしたね(笑)」

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