15年続く長寿番組支えるさまぁ~ずの魅力とは モヤさまPが絶賛する田中瞳アナの人間力

さまぁ~ずの魅力について語る株木亘氏プロデューサー【写真:(C)テレビ東京】
さまぁ~ずの魅力について語る株木亘氏プロデューサー【写真:(C)テレビ東京】

その日の流れを尊重、人間の生理に合わせた番組作り

――10月以降、視聴者の反応はいかかですか?

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「SNSから聞こえてくるのは、やはり朝帯の反響が大きくて『番組スタート当初の“モヤさま”の空気感に近い感じがしてすごくうれしい』とか『こういう感じでいいと思います』みたいな声が非常に多いです」

――朝帯と夜帯で撮影のスタイルに違いはありますか?

「夜帯は1日のロケを番組1本内で収めるように作業していますが、朝帯は昔の深夜と同じように1日のロケであったことを数回に分けてでも全部見せ切るように心がけています。カットすべきところもすべて伝えるところが朝のいいところ。銚子ロケの場合は1日の撮影で番組4本撮りという進行ですが、1日の流れをすべて見せるということがすごく大事。そうすることでその土地の1日の流れがドキュメントとして見えてくるし、そうすることで非常に見ごたえが出ると思っています。大概の街ぶら番組だと、すぐ食べ物屋さんに入ってあれこれ食べて食レポするというのがパターンですが、この番組は朝から歩いてそろそろお腹がすいてきたなという人間の生理に合ったタイミングで食事をとって最後に喫茶店に入ってお茶飲んで締める、というようにその日の流れや動きを尊重しています。食レポが続いてどう考えてもお腹いっぱいだろうという番組もありますよね」

――そういう番組を見ると視聴者も胸やけがする感じになります。

「さまぁ~ずの2人はウソをつくのが嫌いなので、食事の後で何かを食べるネタがあるとしたら『お腹いっぱいだよ!』『食べれねぇよ!』って正直に言います。そこにリアリティーが出るんだと思います」

出演者の生活や人生をそのまま肯定して笑いに

――さまぁ~ずの大竹一樹と三村マサカズの何気ない雑談が笑いを生み出します。2人の魅力についてはどう考えますか?

「おもしろどころを発見する能力が高いし、2人の感性が非常に似ている。大竹さんが発見するもの、三村さんが発見するもの、が共通していてその面白さを2人が協力してどんどん広げていくところがさまぁ~ずの面白味だと思っています。素人の方が出演する場合でも、大竹さんと三村さんはその人の生活や今までの人生をそのまま肯定して、そこを笑いにしていく。2人ならではの世界観と面白がり方ですよね。『えっ、そんなところでこんなに面白くしちゃうんだ』というのが出てくるのは、普段の2人のやり取りからもうかがえます。さまぁ~ずの2人って本当に裏表がなくて、カメラが回っていないときもすごく仲が良くて、普段の会話の延長でロケをしている感じなのでやっぱりそこは他の芸人さんにはまねのできないところ。仲の良さとセンスの良さと視点の付けどころが違うんだなといつも感じています。自分たちが面白いと思ったものを無理やりほじくり返して笑いにするところが見ていてすごいなと感心します。この番組をもう15年やってますが、本当にそう思います」

――テレビで街ぶら番組が増えている理由は何でしょうか?

「テレビ的に言うとローコストで済むというところはあると思うんですけど、やっぱりスタジオだと予定調和感が出てしまう。ロケは何が起こるか分からない、画面に映っていないところで何かが起きている、という期待感がある。そういう意味で言うと街の中ってけっこうネタの宝庫でネタが眠っている。車のホイールがすごく好きな小学生が出演していましたが、そういうのはテレビのリサーチでは絶対出てこない。街を歩いていてたまたま発見したら面白い子だったということです。街を歩いて足で稼いだ情報に価値がある。外に出て何かを発見する、その場で発見したものを面白く伝えるというところが街ぶら番組の魅力なのでしょう」

――「モヤさま」と「あさモヤ」は他の街ぶら番組とどう違いますか?

「他番組がやらないことをすごく意識しています。昔で言うと夢の1000円自販機を発見したときも、あんなものをテレビで取り上げる番組はなかったり、食事する所でも本当にこんな店に入っちゃうの? という所に入って行くのがこの番組の良さだと思っています。ですから僕らは街ぶら番組ではなく、街にいる人たちに闘いを挑んで笑いを作りに行っているお笑い番組だと思っています。街に眠っているものをいじっていかに笑いを作っていくか、面白がるか、ということです」

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