田中美里、芸能生活25周年 20代との違いは「オンとオフを切り替えていけるようになった」

台本にプラスアルファで肉付け 臨機応変な役作り

――実生活で経験しない役柄、例えば殺人犯の役を演じる場合、意識されることは。

「殺人っていうと、みなさん理性があるからそこまではいかないと思うけれども、そこに至るまでのプロセスとか、殺人だけを考えた殺人者じゃなくて、そこに行き着くまでの過去だったり、形だったりその人との関係性だったりを考えると、殺そうとまでは行かなくとも、結果的に殺してしまったっていうこともあると思うんです。だから、台本上だけのものでは考えないようにはしていますね」

――台本にない部分を脚本家などに尋ねて、役作りの参考にすることも?

「出身はどこか、子どもの頃はどう育ったのか、みんなにイジメられていたのか、どういうところでうっ憤が溜まっていったのか、すぐキレるタイプなのか、我慢してキレるタイプなのか…、そういうことを探りながら、セリフを言った時にしっくり来るところまでイメージする感じですね」

――肉付けがすごいです。

「監督に『こういう感じのイメージがあるんですけど、どうですか?』って聞いて、『あ、じゃあそれで行きましょう』っていう時もあるし、監督から『こういう人だと思うので、そう作っていただけますか?』って依頼される場合もあるし、ホントにいろんな作り方があります。監督によってもいろんな方がいるし。だから一つには決めないで、自分の中ではこうかな、と思っても、そこをガチガチに固めずに、柔らかく捉えていられるようには心がけている感じです」

――これまで自分にフィットしていると思った役柄は。

「うーん、どれもフィットというよりは、考えて生み出されたものではあるんですけど、極端な役柄のほうがやりやすいですね。それこそ殺人鬼みたいなものだったりしたほうが。喜怒哀楽がちゃんとあるようなもののほうがやりやすくて、何気ない日常のひとコマを演じなさいと言われるほうが、案外難しかったりしますね」

――極端な役のほうが、自分を開放しやすいのですね。

「そうですね。例えば台所に立ったりしながらホント何気ない言葉を交わしているけど、ちょっとずつすれ違っているところも表現しなくちゃいけないし、いわゆる普通っていうんですかね。そういうお芝居が一番難しいなって思います」

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