「誹謗中傷はなくならない」 ヤフコメ識者の精神科医が提案する新常態のネットマナー

「誹謗中傷はいけない」との言葉だけが独り歩きし、議論が深まらない現状も

 最近では「誹謗中傷はいけない」との言葉だけが独り歩きし、誹謗中傷を誹謗中傷と自覚できていない人、「これは誹謗中傷ではなく批判だ」と居直る人も散見される。誹謗中傷と批判、批評との線引きはどう考えればいいのか。

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「デマや容姿の否定、人格攻撃はもちろんダメですが、確かに『行為への批判』は健全な意見の一つと言えるのかなとは思います。ただ、たとえ事実であっても相手をおとしめる内容は名誉棄損(きそん)に問われるケースがあり、事実なら何を言ってもいいかというとそんなことはありません。僕も誰かを批判することはありますが、顔も名前も出してそれなりの覚悟を持ってやっている。匿名が担保されたところから一方的な批判を執拗(しつよう)に繰り返すのはフェアではないですよね」

 これ以上不幸な事態を引き起こさないためにはどうしたらいいのか。井上氏は「誹謗中傷はなくならない」ということを前提に、ある具体的なリテラシーを提案する。

「誹謗中傷が問題なのではなく、それが誰もが見られる場所で行われていて、目にした本人が亡くなられているという事実こそが一番の問題なんです。人間とは“弱い”動物であるが故に、他者への悪口がなくなることはないと思います。ただ、これまで家族や友人と話していたような私的な悪口が、誰もが見られるオープンな場所で行われていることが問題なんです。言い方はよくないですが、陰口は陰で、なるべくクローズドなところでするのがネット時代のマナーなのかなと思いますね」

◇ENCOUNT編集部では、昨今社会問題化しているネットの誹謗中傷を多角的に取材し、解決への道を探りたいと考えています。記事連載を通して、皆さんが考えるきっかけを提供できればと思います。

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