最高裁国民審査、全員に「×」つける“無言の抗議”の効果は? 専門家に聞いた

白票信任方式や制度自体への異議を込め、すべての裁判官に「×」をつける行為も

 ネット上では、「現状、『×』は多くても1割未満と全くけん制の意味をなしていないので、少しでもこの制度が意味あるものになるように全員に『×』をつける」、「対象の裁判官のうち、何人もが就任したばかりで最高裁での判決に関与していないとか、一体どうやって判断しろと」、「全員『×』にしています。信任できると判断できる基準がないので、普通に考えて『×』しか選択肢はないです」など、白票信任方式や制度自体への異議申し立ての意味を込め、すべての裁判官に「×」をつける行為も散見される。こういった“無言の抗議”ははたして効果的なのだろうか。

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「一番は各裁判官の経歴や判例を調べて『×』を投じることですが、現実的には専門的知識や時間の制限から11人も調べるのは難しいでしょう。全員『×』でも、最高裁に対して『監視しているぞ』というメッセージにはなります。ただ、制度自体に反対なのであれば、道理としては投票用紙を返却して棄権をするのが望ましい。不信任でも棄権でも、10%を超えると最高裁にとってはかなりのプレッシャーになってきます」(西川教授)

 長らく形骸化が叫ばれて久しい制度だが、西川教授自身は専門家として今回の国民審査をどう見たのか。

「今回はNHKはじめメディアの報道量も多く、夫婦別姓という特定の判例では不信任票の割合にわかりやすく差が出た。これまでと比べると民主主義的な意義のある国民審査になったと思います。この流れが今後も続いてほしいですね」

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