アカデミー賞の行方「ジョーカー」か「パラサイト」か「1917 命をかけた伝令」か

世界最高峰の映画の祭典「第92回アカデミー賞授賞式」が日本時間2月10日午前、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われる。今年は「バットマン」シリーズの悪役ジョーカー誕生秘話を描いた強烈な人間ドラマ「ジョーカー」が最多11部門でノミネートされ、「パラサイト 半地下の家族」が作品賞、監督賞など6部門で候補に。果たして、栄冠に輝くのは誰か?授賞式直前に主要部門の行方を、独断と偏見で占ってみた。

映画「パラサイト 半地下の家族」(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
映画「パラサイト 半地下の家族」(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞「パラサイト 半地下の家族」が外国語映画として初受賞なるか

 世界最高峰の映画の祭典「第92回アカデミー賞授賞式」が日本時間2月10日午前、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われる。今年は「バットマン」シリーズの悪役ジョーカー誕生秘話を描いた強烈な人間ドラマ「ジョーカー」が最多11部門でノミネートされ、「パラサイト 半地下の家族」が作品賞、監督賞など6部門で候補に。果たして、栄冠に輝くのは誰か?授賞式直前に主要部門の行方を、独断と偏見で占ってみた。

<作品賞>
「フォードvsフェラーリ」
「アイリッシュマン」
「ジョジョ・ラビット」
△「ジョーカー」
「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
「マリッジ・ストーリー」
◎「1917 命をかけた伝令」
◯「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
▲「パラサイト 半地下の家族」

 粒ぞろい。どれも必見の秀作。作品賞は監督賞と連動していることから、監督賞候補に入っている5作品が有力か。注目は韓国映画として初めてカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「パラサイト 半地下の家族」が外国語映画として初受賞なるか。リベラル志向の多そうなアカデミー会員たちだが、映画選びはコンサバなのではないかと見る。よって、本命は「アメリカン・ビューティー」(1999年)で作品賞を受賞したサム・メンデス監督の「1917 命をかけた伝令」。広大な戦場を舞台に2人の兵士を中心にした濃密な人間ドラマを展開し、ワンシーンワンカットの手法は観客を戦場の真っ只中に連れ出し、未知の映像体験を味わせてくれた。対抗はクエンティン・タランティーノ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」。1969年に起こったハリウッド最大の悲劇と言われるシャロン・テート事件をモチーフにした内幕もの。ラストシーンは映画ならでは、の飛躍が素晴らしく、受けがいいのではないか。

<監督賞>
マーティン・スコセッシ「アイリッシュマン」
◯トッド・フィリップス「ジョーカー」
◎サム・メンデス「1917 命をかけた伝令」
●クエンティン・タランティーノ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
△ポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」

 過去5年を見ると、作品賞と監督賞をW受賞したのは2015年の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)と2018年の「シェイプ・オブ・ウォーター」(ギレルモ・デル・トロ監督)の2回。最有力は作品賞同様、サム・メンデス監督だが、個人的には「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督の受賞を願いたい。半地下に暮らす貧困層の家族が、富豪一家に寄生する物語。格差社会は米国でも大きな問題、関心事。それをエンターテイメントに仕上げている点は高く評価されている。チャンスがあるとすれば、作品賞よりも監督賞だろう。

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