あれから21年… 闘龍門同窓会興行 ミラノコレクションA.T.も帰ってきた!

引退したミラノコレクションA.T.さんがサプライズ登場【写真:鈴木心平】
引退したミラノコレクションA.T.さんがサプライズ登場【写真:鈴木心平】

T2P、M2K、C-MAX、イタリアンコネクション…。そしてミラノが帰ってきた!

 第3試合は時間差バトルロイヤルの「ドラゴンスクランブル」。これはむしろ、闘龍門メヒコ自主興行で恒例の試合形式だ。第4試合ではT2Pのトップユニットである”イタリアンコネクション”が復活した。YOSSINO(吉野正人)&コンドッティ修司(近藤修司)&“brother”YASSHINI(YASSHI)&ミラニートコレクションa.t.組VSSAITO&新井健一郎&新井小一郎&ヘンリーⅢ世・菅原(菅原拓也)組は、イタコネvs全世代カルテットか。イタコネにはペスカトーレ八木、ヘンリーにはアンソニー・W・森がセコンドについたのも当時からのファンには心憎い演出だった。

 セミファイナルは堀口元気vs斎藤了の闘龍門JAPAN純血対決。ロン毛で現れたサーファー堀口には「H・A・G・E(エイチ・エー・ジー・イー)」コールが発生し、斎了(サイリョー)の自転車は予想通り、かつ期待通り藤井さんに盗まれた。藤井さんは次回大会があれば「自転車兄弟を復活させようじゃないか!」と斎了に訴えるも、あえなく却下されてしまうことに……。“よって、ネクストがあれば自転車兄弟復活は間違いないだろう”。

 そして迎えてメインイベント。M2Kに対するはウルティモ&セカンド土井(土井成樹)&ドラゴン・キッド組だった。ところが試合中、DRAGON GATEの極悪ユニット”R・E・D”が大挙乱入。試合はキッドが神業の空中殺法ウルトラ・ウラカンラナで享からフォール勝ちを収めるも、ウルティモは招かれざる客からの暴行によりリングから遠く離れたところでダウン状態。なんとも消化不良なバッドエンドを突きつけたのは、かつての”両リン推進委員会”M2Kではなく、ドラゲー現有勢力のR・E・Dだった。望月が同じバッドエンドでも質の違いをアピールすると、ウルティモは望月とのタッグを提案。そこにYOSSINOも現れた。今年引退する吉野は、「YOSSINOは最後の来日かも」とアピールし、R・E・Dとの対戦に打って出た。そもそもウルティモをドラゲーに呼び込んだのは彼の説得があってこそ。今大会実現も吉野抜きにはありえなかった。さらにはTARUまで「オレたちの闘龍門を汚してほしくねえからよ!」とウルティモとの共闘を宣言。急きょ、ウルティモ&TARU&望月&YOSSINO組VSEita&ビッグR清水&ディアマンテ&H・Y・O組の8人タッグがスタートした。

 案の定、試合は大荒れとなり、両サイドのセコンドも乱入。そのなかでリングに駆け込んできたのが、ミラノコレクションA.T.だったからたまらない。10年前に引退したミラノにとって、イタコネとの再会は15年ぶりだという。しかもミラノはかつての仲間、YOSSINO、YASSHIとの連係を繰り出し、ミラノの代名詞的技”パラダイスロック”まで極めてみせた。このサプライズに場内はもちろん大ミラノコール。最後はウルティモのアサイDDTがディアマンテにさく裂し、闘龍門サイドの勝利となった。気がつけば、ウルティモを取り囲んでいたのはクレイジーMAX(TARU)、M2K(望月)、イタリアンコネクション(YOSSINO)という闘龍門の歴史を彩ってきたユニットの代表選手たちだった。

"校長"ウルティモ・ドラゴン(中央)はメインに登場【写真:鈴木心平】
"校長"ウルティモ・ドラゴン(中央)はメインに登場【写真:鈴木心平】

ウルティモ校長「闘龍門の主役はあくまで"生徒"。自分は出るべきではない」

 大団円のエンディングでウルティモは「また同窓会やるか?」と教え子たちに声をかけた。その直後「今日が20年ぶりだから、次は20年後だ」と言い換えると、斎了は「ボクらはやる気満々ですよ!」と継続を希望した。これは多くの選手が考えていることでもあるだろう。帰ってきたミラノは「プロレス界はホントになにがあるかわからない。なので、これからも目を離さずにプロレス界を見てほしいですね」とコメント。あれだけの動きを見せられたら現役復帰は無理としても、OBマッチという考えもあるのではないか。すでに引退している選手もいるだけに、あり得ない話ではないだろう(メキシコのレジェンドマッチのように)。

 大会を終えたウルティモは、バックステージでこうコメントした。「懐かしい顔、いろいろいて、興行的にはよかったと思います。ただやっぱり闘龍門というのは生徒さんたちが主役なので、自分は主役ではない。オレが出ない方がよかったかなって」。実際、大会前までウルティモの出場は微妙だった。が、黎明期の闘龍門JAPANで試合をすることができなかったウルティモにはやはりこのリングで試合をしてもらいたい。選手たちに乗せられ、ウルティモは鉄柱越えプランチャを敢行したとも考えられる。ある意味、あのラ・ケブラーダに匹敵するほどのインパクトだった。

 最後にユニットが勢揃いのような状態になったのは歴史の成果か。ウルティモは言う。「自然にそうなったんでしょうね。せっかくの同窓会を部外者のアイツら(R・E・D)に潰されたくないというのがあったんでしょう。この興行にDRAGON GATEのユニットが出てきたことですか? まあ、流れとしてはあれも普通なんだと思いますね。ボクとしてはウエルカムですよ」

 そしていまここに、闘龍門とDRAGON GATEが一本の線で結ばれた。やはり、両団体にウルティモの遺伝子が受け継がれているのは紛れもない事実。現代のプロレス界、やはりウルティモ、闘龍門抜きにはあり得ない。

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