「TOKYO MER」に死者発生 視聴者激怒「認めません」 あえて“鬼脚本”にした理由

俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(毎週日曜、午後9時)の第10話が5日に放送され、あまりの悲劇的展開に視聴者が激怒する異例の事態となっている。(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

TBS系日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の第10話が5日に放送された
TBS系日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の第10話が5日に放送された

最終回(第11話)は15分拡大で12日放送 喜多見は失意のどん底に

 俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(毎週日曜、午後9時)の第10話が5日に放送され、あまりの悲劇的展開に視聴者が激怒する異例の事態となっている。(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

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「最終章 前編」と題して放送された第10話は怒涛(どとう)の展開だった。MERチーフドクターの喜多見幸太(鈴木)が公安警察からテロ組織への関与を疑われ出動禁止となった。そんな中、ある医科大学の教室が爆破される。負傷者救助のため喜多見と医系技官・音羽尚(賀来賢人)が現場に駆けつけ教室内で重傷者のオペを始めるが、「喜多見はテロリスト」というネット上のうわさを信じ込んだ学生たちは喜多見を別室に閉じ込めてしまう。次なる爆破テロを仕掛けた椿(城田優)の卑劣なわなで喜多見は最愛の妹・涼香(佐藤栞里)を亡くすことに…。

 あまりにむごい仕打ちと鈴木の号泣熱演がダブルで押し寄せたせいか、ツイッターでは「TOKYO MER」「涼香ちゃん」「死者1名」「音羽先生」「喜多見先生」など関連ワードがすぐにトレンド入りし、「1週間仕事できないぐらいのメンタルえぐられ具合すごい」「明日から仕事頑張れる気がしない」と放心状態の人が続出。

 さらには「脚本が鬼過ぎ」「地獄過ぎる」「認めません」「視聴者を絶望の淵に落とす鬼脚本」「こういうのじゃないんだよ!求めてるのは」「誰よ、こんな脚本書いたの!」「涼香が死んでしまう脚本の必要性なに?」「なんでもいいから脚本練ってくれ。なんなら私が書く」「最終回、脚本書き換えて」「誰だよこの脚本考えたの!全然笑えねぇよ!」など怒りの声が次々とアップされている。視聴率好調の人気連ドラとしては異例の事態だ。

 こうした声が多いのは音羽と涼香の急接近が背景にある。喜多見が涼香に「兄ちゃん、音羽先生なら賛成だから」と笑顔を見せるシーンからは、涼香と音羽が喜多見の前で愛を誓い合う未来の結婚式が想像された。そんな視聴者の幸福感を一挙に粉砕した爆発テロによる涼香の突然の死。なぜこんな“鬼脚本”になってしまったのか。

「『待ってるだけじゃ救えない命がある』が信念である喜多見の超人的な行動力と『死者0です!』の連続、MERメンバーのアベンジャーズ的な大活躍が痛快でこれまで高視聴率をキープしてきましたが、私たちは物語の幸福感に慣れてしまった。第10話で涼香が死ぬまで多くの視聴者は喜多見幸太と涼香の両親がテロで死んだことを忘れていたのではないでしょうか。これで喜多見はテロで家族3人を失いました。身近な人が突然いなくなるという事態はコロナ禍の中、すでに私たちが経験していることです。テロをコロナに置き換えて考えると、脚本家の意図が浮かんでくるような気がします」(放送ライター)

 実際に第10話の中では、椿の内通者になってしまった女子学生(大幡しえり)が「感染症が広がって仕送りがなくなって、バイトもできなくて、退学を決めました」と告白するシーンが登場したが、よくよく考えるとこのせりふはあまりに生々しい。制作陣は演技というよりコロナ禍の中で生きる若者たちの現実の姿を伝えたかった、と捉えるべきだろう。「TOKYO MER」のオープニングタイトルにはコロナ禍の最前線で日夜働いている多くの医療従事者の写真がコラージュされている。涼香の死は世界中で起こっている現実の一つなのだ。

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