3日間で全132曲完走「アニサマ2021」 “歓声なき夏” アーティストが口にした感謝

毎年8万人を動員し、今年で16回目を迎える世界最大のアニソンイベント「Animelo Summer Live 2021 -COLORS-」(以下、アニサマ2021)が27日から3日間、さいたまスーパーアリーナで開催された。今年は行政・会場からのイベント入場制限の指示のもと、観客を5000人に限定し開催。他にも、埼玉県・さいたまスーパーアリーナ・一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPA)の新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに準拠した感染症対策を徹底し、無事に3日間の日程を終えた。

3日間にわたった「アニサマ2021」。コロナ禍での特別なライブになった【写真:(C)Animelo Summer Live 2021】
3日間にわたった「アニサマ2021」。コロナ禍での特別なライブになった【写真:(C)Animelo Summer Live 2021】

今年で16回目を迎えた世界最大のアニソンイベント「Animelo Summer Live 2021 -COLORS-」

 毎年8万人を動員し、今年で16回目を迎える世界最大のアニソンイベント「Animelo Summer Live 2021 -COLORS-」(以下、アニサマ2021)が27日から3日間、さいたまスーパーアリーナで開催された。今年は行政・会場からのイベント入場制限の指示のもと、観客を5000人に限定し開催。他にも、埼玉県・さいたまスーパーアリーナ・一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPA)の新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに準拠した感染症対策を徹底し、無事に3日間の日程を終えた。

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 昨年開催される予定だった「アニサマ2020」はコロナ禍で延期に。2年越しの開催となる「アニサマ2021」では厳しく入場制限を行うため、昨年から保有されている繰り越しチケットを払い戻しにした上で、そのチケットを保有していた人を対象に再抽選。前回2019年は3日間で約8万4000人を動員していたが、今年は3日間の総動員が約1万5000人。さいたまスーパーアリーナの半面だけを使用し、メインステージの他には後方にステージを1か所配置したのみで、花道の設置はなし。客席は規模は大幅に縮小されたが、パフォーマンスの熱気は変わらない。3日間で合計14時間、全57組125人のアーティストが参加し、全132曲を完走した。

 今年のアニサマでは昨年活動10周年を迎えた記念セットリストを組んだ東山奈央、第1回の「アニサマ2005」にも出場し、活動20周年を迎えた栗林みな実など、アニソン界をけん引してきたアーティストたちの圧巻のパフォーマンスはもちろん、ブシロード発のメディアミックスプロジェクト「D4DJ」「アルゴナビス from BanG Dream!」」「アサルトリリィ」なども躍進。声優として活躍しながらも、歌、ダンス、さらには楽器演奏までこなすマルチな才能には脱帽だ。アニソン界のトップランナーだけではなく、大黒摩季や鈴木雅之、スキマスイッチなど、アニメ作品の主題歌を歌唱してきたアーティストたちも続々参加。観客たちはバラエティー豊かな楽曲に静かに酔いしれた。

 発声禁止という厳格なルールで行われた「アニサマ2021」だが、特別な舞台は今年が初めてではない。10年前の2011年には東日本大震災の影響を受け、例年通りの運営が困難に。関連イベントやけやきひろばステージも中止となり、節電対策を実施して開催された。特別なアニサマから10年。今年もコロナ禍という災厄にさいなまれ、直前で出演を断念せざるを得なかったアーティストが数組出てしまったことは残念だが、再び音楽が持つ力をステージからファンに届けた。

 緊急事態宣言下での開催となったが、出演アーティストたちはそろって「開催してくれたスタッフに感謝」「ここに来る選択をしてくれてありがとう」と口にした。昨年予定されていた「アニサマ2020」が開催延期となり、制作したテーマソングの披露が1年越しにかなったオーイシマサヨシはステージ上で人目をはばからず号泣。森口博子は「目に見えないものと私たちは闘っている。だからこそ、目に見えない音楽の力、アニソンの力を届ける」と、強い決意を口にした。

 今、ライブ会場で使用されているペンライトは、手元のボタンで色を変えることが可能なタイプが主流。登場するアーティストや楽曲のイメージに合わせ、ファンが一体となってスタンドを染め上げる景色は圧巻だ。楽曲に合わせた合いの手(コール)や出演者の名前を呼ぶことなど、一切の発声が禁止されている中、ステージとの意思疎通はペンライトと拍手のみ。仕方のないことだが、唸るようなコール・アンド・レスポンスのないアニサマはやはり物足りない。延期となった「アニサマ2020」、そして未曽有(みぞう)の事態に見舞われながらも無事に完走した「アニサマ2021」を乗り越え、「アニサマ2022」がどんなステージになるのか、今から楽しみだ。

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