妻夫木聡が初の弁護士役 安藤サクラ、窪田正孝ら集結のヒューマンミステリー映画が公開決定
第70回読売文学賞を受賞し、累計19万部を超える平野啓一郎のベストセラー小説「ある男」が映画化され、2022年に全国公開されることが決定した。主人公を演じるのは妻夫木聡。安藤サクラ、窪田正孝ら豪華役者陣がそろう感動ヒューマンミステリーだ。
映画「ある男」 監督:石川慶&脚本:向井康介は「愚行録」に続き2本目のタッグ
第70回読売文学賞を受賞し、累計19万部を超える平野啓一郎のベストセラー小説「ある男」が映画化され、2022年に全国公開されることが決定した。主人公を演じるのは妻夫木聡。安藤サクラ、窪田正孝ら豪華役者陣がそろう感動ヒューマンミステリーだ。
本作は「マチネの終わりに」(16年刊行)に続く作品として、18年に発表された文学作品。監督は「愚行録」(17年)でベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出され、国内外で高い評価を得る石川慶。脚本は、「マイ・バック・ページ」(11年)など数々の話題作を手掛けてきた向井康介。石川監督とは「愚行録」に続き2本目のタッグとなる。
主人公の弁護士・城戸が、“ある男”の真実に迫っていく物語。城戸は、かつての依頼者である里枝から、里枝の亡くなった夫「大祐」の身元調査の依頼という奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経験後、子どもを連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と再婚。新たに生まれた子どもと4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日突然夫が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、大祐の法要の日、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と言い放つ。「大祐」として生きた「ある男」は、一体誰だったのか。なぜ別人として生きていたのか。
主人公の弁護士・城戸章良を演じるのは、シリアスからコメディーまで多種多様な役を演じる妻夫木。石川監督とは「愚行録」「イノセント・デイズ」に続き、3度目のタッグとなり、今回は初の弁護士役に挑む。城戸に夫の身元調査を依頼する谷口里枝役は、国内外で高い評価を得る安藤。映画への本格出演は、「万引き家族」以来、4年ぶりとなる。里枝の夫となる谷口大祐を演じるのは、NHK連続テレビ小説「エール」で主演を務めるなど幅広く活躍する窪田。さらに、清野菜名、眞島秀和、小籔千豊、仲野太賀、真木よう子、そして柄本明といった日本を代表する俳優陣が集結した。
キャストコメントが届いた。妻夫木は「人間のアイデンティティーとは何かを問い詰めるこの作品との出会いは、自分の人生を見つめ直す良いきっかけとなりました。人生に正解はない。かといって間違いもない。どんな答えであってもいいと思う。だから恐れずに向き合ってほしい。見てくださった方にとって、この作品が人生の道しるべのような存在になるのであれば僕は幸せです」と作品への思いを語った。
安藤は「私自身がこの作品がどんな映画なのか、なかなか想像ができません。ミステリーとひとくくりりにしてしまうのはもったいないなと思いつつラブストーリーなのかサスペンスなのか、、と問われるとこれまた分かりません」と、作品への“解釈”を表現。そのうえで、「久しぶりの映画、石川監督のもと、たくさん笑ってたくさん泣いて、苦しみながらも楽しく撮影させていただき、あ~私は現場が好きだ! と再確認しました。この作品だったからそう感じられたのだと思います。公開が楽しみです」と語った。
窪田は「ある男の静寂な心の中にうごめく『悍ましいナニカ』をずっと感じながら演じてました。人の皮をかぶった怪物が体の中からずっと自分だけを見ている。そんな支配されて壊れきった空っぽの心を里枝が少しずつ溶かしていく。里枝役のサクラさんはやはりとても刺激的で芝居の面白さ、やりがい、その答えをどこまでも追求していきたい衝動に駆られました。ある男が、見ていただく方々にどんな感情を残すのか今から楽しみでなりません」とメッセージを寄せた。
原作の平野氏は「『ある男』は、私の小説家生活20年目のタイミングで刊行された長篇です。前作『マチネの終わりに』で描いた『未来は過去を変える』という主題を、分人主義的にさらに発展させ、『愛にとって過去は必要なのか』という切実な問いを追求しました。重層的に入り組んだ複雑な構成美が持ち味の小説なので、映像化はなかなか難しいだろうと思っていましたが、素晴らしい監督と俳優陣に恵まれ、強く胸を打つ映画となったことに感動し、また感謝の気持ちを抱いています」とコメントした。