プロレスラーKENSO、今はエリートサラリーマン 山本小鉄さんがあ然秘話も【連載vol.57】

語り継がれる札幌伝説 「明るい未来しか見えません」

 猪木と新日本勢がリング上で問答を繰り広げた02年2月の札幌大会で「僕には明るい未来が見えません」と、答えたのも語り継がれている。「皆さんに失笑されたけど、蝶野(正洋)さんには褒められた」と苦笑いするばかり。

 現在のマット界の主流であるマッチョボディーの走りだったが「CMLL時代に、太ったら使わない」とトップに通告されて以来、必要以上の筋肉を嫌うようになったそうだ。世界のリングを知る男は先見の明があるのかも知れない。

 もっとも、まだレスラーとして引退したわけではない。昨年、暮れの全日本プロレス・後楽園ホール大会にも姿を現している。「鷲が翼をはばたかせる様子を表現したもの」と、得意の両手を大きく広げるポーズ(エル・アギラ・インペリアル)も披露した。

 プロレスラーの活動範囲を広げる仕事に励む鈴木健三氏の顔を持つ一方、「ミスター・パッション」KENSOを封印してしまうのは、あまりにも惜しい。テレビマンとして忙しい日々を送っているが、リング復帰にも期待したい。

「ビチッとリングに上がるかも知れませんよ。明るい未来しか見えません。フフッ」。笑顔が何やら意味ありげに見えたのだが…ひと夏の蜃気楼(しんきろう)だろうか。

次のページへ (3/3) 【写真】浩子夫人とともに得意のポーズを決めるKENSO
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