「CHAGE and ASKA」として「SAY YES」「YAH YAH YAH」など大ヒットを連発し、ソロとしても「はじまりはいつも雨」などをヒットさせてきたASKAさん（63）。この7月にはシングル「笑って歩こうよ」をリリースした。10月からはツアーを行う予定だという。充実した活動を積み重ねているようだが、ASKAさんは今、どんな毎日を送っているのか。都内でASKAさんに会って話を聞いた。（取材・文＝中野裕子）

　僕の仕事は音楽なので、もちろんメインは音楽をやっています。月1回、10日間はレコーディングをしています。自宅に機材があるので、自宅にこもって。僕は「さあ、今から作るぞ」といって曲作りを始めないとできないタイプ。その日の気分で何となくリズムを鳴らしているうちにメロディーができたり、「こういうイメージの楽曲を作ってみたい」と考えてできたり、とさまざまです。道を歩いていたらフッとメロディーが生まれた、とか、あるとき突然、音楽が空から降りてきたなど、よく語っているアーティストがいますよね。うらやましい（笑）。僕も、それがあれば意気込まないで済むのにな、と。そのような経験ないんですよねぇ（笑）。

　ちょっと前までは、韓国ドラマにハマッてました。「愛の不時着」は今、4巡目を見ちゃってますからマズイですね（笑）。ほかにも「梨泰院クラス」や「トッケビ～君がくれた愛しい日々～」も見ました。もともとドラマを見るのは好きで、米国の「ウォーキング・デッド」や豪州の「ウェントワース女子刑務所」にもハマッていました。日本のドラマは、やはり毎週見なくては、という気持ちになりますので、Netflixなどでまとめて見たいんですよね。日本のドラマは最近は見ていませんので、いつかまとめて見てみたいですね。

　で、この話（笑）。あるとき、NHKの連続テレビ小説を見るようになっていたときがありました。というのは、僕は夜型で、明け方まで起きているので、「この時間までどうせ起きているのなら、朝ドラを見てから寝よう」と思って、毎日見るようになったのが「カーネーション」（2011～12年）だったんですね。ヒロインの尾野真千子さん（39）の演技にゾッコンになりましたね。その尾野真千子さんが、僕がこの7月に出したシングル「笑って歩こうよ」のプロモーションフィルムに出演してくれているんです。

　僕が尾野真千子さんを指名してお願いしたわけではありません。実は、僕は俳優さん、女優さんの名前って、ほとんど知らないんです。僕は、監督に「歌を歌っている自分と別のドラマが行ったり来たりさせて、フィルムの最後は歌のテーマとドラマをクロスさせたい」としか伝えていませんでした。だから、「笑って歩こうよ」の撮影監督が尾野真千子さんを指名したと聞いて、ビックリ。そして、彼女がすぐに出演を受けてくれたことで続いてのビックリでした。出来上がってきたミュージックビデオを見たら……「ミュージックビデオの中の彼女には、いったい何があったんだろう？」と思ってしまうほど素晴らしかった。ブログにも書いたんです。「尾野真千子、すげぇ」って（笑）。

　ちなみに、テレビは家でいつもつけていますが、シーンと部屋が静まり返ってるのが嫌だから、というだけで、もっぱらテレビの音が背中で鳴っている、という感じです。見ても“ながら見”ですね。最近、欧米で流行っている曲、それも聴かなくなりました。お客さんが来たときには、テレビでネットラジオを聴けますから、向こうの70年代、80年代ばかりかけてます。

　今も、大して生活は変わりません。午前4、5時に寝ますが、作ってる曲の歌詞が気になって、午前9時か10時には起きています。寝付きもいいし、寝覚めもシャキッとしていますよ。起きたらパソコンでメールをチェック。だいたい、そこから1日が始まりますね。