俳優・志尊淳が大河ドラマ初出演となるNHKの「青天を衝け」（日曜、午後8時）の取材会に出席し、演じる杉浦愛蔵や幕末という時代への思いを語った。

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　杉浦は主人公の渋沢栄一（吉沢亮）と親友のような存在になり、明治維新後は、新政府に出仕して栄一が立ち上げた民部省改正掛の一員となり、前島密らと郵便制度の確立に努めた人物。

　志尊は「お声掛けいただきましたが、懸念したのは撮影が結構すぐだということ。あまり日本史や史実に関心を覚えてこなかったので、時間のない中、どれくらい作り込んでいけるか」と、当初は心配な面もあったと明かす。

　一方で「大河ドラマに出る喜びもありますが、（『半分、青い。』出演時と）同じ監督にまた呼んでいただいた喜びや今まで総髪を付ける機会もなかったので、初めてのことができるワクワクの方が大きかったです」と語った。

　演じる杉浦という人物には「フォーカスされる前に亡くなった方。実際、ものすごい功績を挙げている人。かつ人柄も愛され、陰で渋沢さんを支えていたという史実を拝見し、武士の時代に生まれてきた人ですが、いい意味で武士らしくないアプローチで、いつも戦っている所とは違うフィールドで渋沢さんを支えられるような役柄にしたい。そんな方という印象を最初に覚えました」と説明した。

　また、主役の吉沢にも言及。「大河ドラマという歴史的作品。しかも同じ役を1年間やらないといけない。役者として、ものすごく試されたり、戦うべき物がたくさんある作品」と語り、「尊敬のまなざしでいます。すごい。せりふもとんでもない量。1年間続けるのは生半可な気持ちではできない。どこかで息抜きしてほしいと個人的には思います」と続けた。

　さらに幕末と渋沢の魅力も紹介。「みんなが命を懸けているなとすごく思います。一つ一つに対し、何か失敗したら殺されてしまうし、自害する選択肢もある。一つ一つに責任を持って立ち向かっている。身分を問わず責任に対しての感じ方がすごい。一つ一つに全力で向き合っている。今の時代とは違う良さだし、僕が好きだなと思うところです」。続けて「渋沢さんに関しても、どの時代も、時代を切り開いていっている人や挑戦している人は、あの人は本当にすごかったと言われるのは後世。渋沢さんがいろいろな物を背負って、でも前に歩み続ける姿は素晴らしい。自分を捧げて何かに没頭できるところが魅力。自分も挑戦とか、いろいろしていきたいなと思わせてくれる人」と語った。

　最後は、杉浦について「フォーカスが当たらなすぎた人。だけど、本には、やってきたことはすごいと書かれている。今回、杉浦という役で少しでも杉浦愛蔵という人が広まって、もっと後世に語り継がれる人になれたらという思いでやっていきたい」と意気込みを口にしている。