JASRAC、コロナ禍で徴収額減もサブスク収益急増 「ここをきっかけにマイナスをプラスに」

日本音楽著作権協会(JASRAC)が19日、都内で定例会見を行い、2020年度の事業について報告。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、徴収額は前年度比4.3%減の1126億円となった。一方、分配額は新型コロナが本格化する前の2019年下半期分が含まれることやインタラクティブ配信の好調により、前年度比3.1%増で過去最高となる1206億円となった。

会見を行った日本音楽著作権協会の(左から)いではく会長、浅石道夫理事長【写真:ENCOUNT編集部】
会見を行った日本音楽著作権協会の(左から)いではく会長、浅石道夫理事長【写真:ENCOUNT編集部】

徴収額は前年度比4.3%減の一方、分配額は、前年度比3.1%増で過去最高を更新した

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が19日、都内で定例会見を行い、2020年度の事業について報告。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、徴収額は前年度比4.3%減の1126億円となった。一方、分配額は新型コロナが本格化する前の2019年下半期分が含まれることやインタラクティブ配信の好調により、前年度比3.1%増で過去最高となる1206億円となった。

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 徴収額のうち演奏関連はコンサート、ライブハウス、飲食店、カラオケなど新型コロナの影響が広範囲に及び前年度比で36.3%の減少。CM放送の出稿数、CD生産実績も減少した一方、巣ごもり需要を背景に音楽や動画のサブスクリプションサービスといったインタラクティブ配信は前年度比48.2%増と大きく収益を伸ばした。

 分配額は演奏関連、CD、カラオケ等でそれぞれ前年度比約20%減となったが、インタラクティブ配信で同64.7%増と急増。全体では過去最高を更新した。

 JASRACのいではく会長は「私事ですが、今朝一回目のワクチン接種を受けてまいりました。これから接種が進めば徐々に対外的な活動もできるかと思う。ぜひ日本における著作権の位置付けを国民の皆さまにきちんとわかっていただきたい」とあいさつ。分配額で実質的な寡占状態が続いているという指摘に関しては「寡占でも何でもなく、それはクリエーターが決めること。一概に数字上で寡占というように判断してほしくない。むしろJASRACの管理がよりよくなれば(割合が)増えることだってある」と、適正な競争の結果であることを強調した。

 また、コロナ禍で実演者が大きな打撃を受けていることについて、浅石道夫理事長は「カラオケが悪の最たるものとされ、コンサートはもっと酷い状態になっている。我々ができることは自分たちのフィールドに留まることで、他への支援をできるような状況ではない」と考えを明かし「来年はもっと厳しいが、ここをきっかけにマイナスをプラスにしていきたい」と話した。

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