育てるのは男の子だけじゃない プロ野球球団が運営するチアスクールの秘密

今では子どもたちの笑顔が自身の糧にもなっているという【写真:安藤かなみ】
今では子どもたちの笑顔が自身の糧にもなっているという【写真:安藤かなみ】

現役チアと講師の兼任でパフォーマンスを磨く好循環 「その分やりがい」

 MDAは06年の開校以来、13人のM☆Splash!!メンバーを輩出。この日、スタジオを案内してくれたインストラクターのYUKIは現役のM☆Splash!!メンバーでありながらMDAのインストラクターも務めている。人に教える仕事は「MDAが初めて」というが、「クラスによって年代が違うので、子どもたちが理解しやすいように言葉のチョイスには気を付けています。例えば、ジュニアクラスで『軸』と言っているものを、キッズクラスでは『身体の真ん中』と言い換えたりしています。ただ、上達するにはその子の努力次第で、先生はあくまでもアドバイスしかできません。生徒1人1人をしっかり理解して、どうすればモチベーションを上げてくれるのかを日々考えて指導しています」とすっかり先生の顔だ。

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 球団チアとしての活動と、MDAのインストラクターの兼任は難しいのでは。YUKIは「自分にインストラクターなんて務まるのかな」と不安だったというが、今では子どもたちの存在が糧になっているそうだ。「子どもたちの笑顔やひたむきに頑張る姿を見ていると、こちらが元気をもらえますし、その姿が私自身のモチベーションにもつながっています」と笑顔。「現役との兼任は大変なこともあるのですが、その分やりがいのあるお仕事です」と胸を張った。

 子どもたちに指導する“先生”でありながら、プロのチアとしての矜持も忘れないM☆Splash!!のメンバーたち。7年目のシーズンを迎えたYUKIにとって、チアリーダーとは「人に元気や勇気を与えるお仕事」だという。YUKIは「言葉を使わずに身体だけで気持ちを伝えるのはすごく難しいけど、それができるのがチアリーダーという職業。私はM☆Splash!!の中では歴は一番上ですが、まだまだ半人前だと思っています」と謙遜しながらも、「ダンスの技術はもちろん、チアスピリッツを兼ね備えた立派なチアリーダーになれるように、これからもゴールを決めずに精進していきたいです」と自身のさらなるステップアップも誓っていた。

 プロ野球球団がプロのチアリーダーを育て、育てたチアリーダーが、また次世代に夢を託していく。そこには球団の「女の子の夢もかなえる」という強い思いが込められていた。今日もZOZOマリンスタジアムの右翼スタンドの下では、子どもたちが夢に向かってレッスンに励んでいる。

□YUKI(ユキ) 鳥取県出身。M☆Splash!!在籍7年目。クラシックバレエ歴20年以上で、他にもJAZZ、HIPHOPなども。ストレス解消法は「時間の流れに身を任せること」。

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