歌唱力No.1決定戦の陰のキーマン バンドマスターが語る特別ライブ完成までの舞台裏

楽曲のバリエーションが多岐にわたるなか、人数感以上のボリュームを出せるように工夫
楽曲のバリエーションが多岐にわたるなか、人数感以上のボリュームを出せるように工夫

楽曲の振り幅と“オール生演奏”が融合して、ファイナリストLIVEは昇華

 仕掛け人であるTBSの竹中優介プロデューサーとともに、歌唱力No.1決定戦、ファイナリストLIVEの歴史を知り尽くす佐藤氏。ファイナリストLIVEは“ご褒美ライブ”という位置づけだが、ピアニスト・キーボーディスト・作編曲家として百戦錬磨の彼の目から見ても、披露される楽曲の多種多様ぶりは異色だという。

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「曲の幅が本当に広くて、普通のポップス、昔からの歌謡曲、バンドがやっているようなロック、はたまたミュージカルまである。特に、ミュージカル曲はキーボードでいろんな音を出さないといけないんですが、バンドメンバーの人数が多くないので、いかにして実現させるか、譜面を書くときに頭を抱えています(笑)。聞いていただいたら分かると思いますが、『この曲のあとにそんな曲に行くの?』『本当に同じバンドでやってるの?』というものすごいバリエーション。しかも、同期(人数が足りないところを補うあらかじめ用意した音源)を使わずに、完全に生演奏だけで成立させるのがこのイベントの特色です。1曲を考えるのにとてつもなく時間がかかって、げっそりしていることもあります」

 あまりに未知なる世界に「これは無理かも、と言ったこともあります」と笑って明かす佐藤氏だが、そこは「生バンドがこの企画の心臓部分」と信頼を寄せてくれる竹中プロデューサーや、苦楽をともにしてきたバンドメンバーとの絆で成功につなげてきた。

「譜面を書く前に音源と資料が送られてきて、こういうふうにしたいというメモ書きがあります。つなぎは上手くやってくださいという曲があったり、僕のほうからこのサイズにしたいんですと調整したり。竹中さんの世界が強くあって、毎年風物詩のようになっています。竹中さんはプロデューサーとして、僕らをうまくコントロールして奮い立たせてくれるので、こちらもそのビジョンを忠実に再現したい、年々歌唱力のレベルが上がっているメンバーをよりいい演奏で迎えてあげたいという気持ちが強いです。

 正直、この編成でここまでやるのは僕も聞いたことがない。『同期走ってるよね?』『全部、生演奏だったの?』とよく驚かれますから(笑)。特別だと思います。人数感以上のボリュームで見せるという工夫は、バンドメンバーにも理解・協力してもらいながら、いろんなことにこわだってやっています。本当にすごい、最高のバンドです」

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