佐古忠彦氏、佐々木蔵之介の本気に感謝「沖縄の空気を感じてくれた」 映画「生きろ」

TBSのテレビ放映版を新たに編集した作品、劇場公開作など全22作品を集めた「TBS ドキュメンタリー映画祭」が18日、東京・渋谷のユーロライブで開幕し、佐古忠彦監督の最新ドキュメンタリー映画「生きろ 島田叡(あきら)―戦中最後の沖縄県知事」(20日公開)が先行上映され、トークイベントを行った。

佐古忠彦氏【写真:ENCOUNT編集部】
佐古忠彦氏【写真:ENCOUNT編集部】

最新作「生きろ 島田叡(あきら)―戦中最後の沖縄県知事」先行上映

 TBSのテレビ放映版を新たに編集した作品、劇場公開作など全22作品を集めた「TBS ドキュメンタリー映画祭」が18日、東京・渋谷のユーロライブで開幕し、佐古忠彦監督の最新ドキュメンタリー映画「生きろ 島田叡(あきら)―戦中最後の沖縄県知事」(20日公開)が先行上映され、トークイベントを行った。

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 コロナ禍とあって、佐古監督、聞き手を務めた出水麻衣TBSアナウンサーはマスク姿で登場。同作は「NEWS23」「Nスタ」のキャスターとして活躍し、劇場用ドキュメンタリー映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」「米軍が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯」が高く評価された佐古監督の最新作。1945年1月、43歳で戦中最後の沖縄県知事になった島田叡の壮絶な生き様を描く。

 沖縄では3月6日から先行公開されているが、佐古監督は「前々作、前作も、大変な熱気だったんです。今回はコロナの影響もあるので、どうかなと思ったんですが、盛況でした。見た方からは『おじいおばあに聞いていた話がスクリーンにあふれていた』と言っていただき、うれしかった。沖縄戦は3月に始まっている。季節を感じていただきながら見ていただけるのはよいかなと思っていた。そんな中で沖縄の人たちがどうやって、命と向き合ったのかを考えていただきたい」と話した。

 映画製作は2013年に報道ドラマ「生きろ」でドキュメンタリー部分の監督をしたことがきっかけ。緒形直人がドラマパートで島田を演じたが、本作では佐々木蔵之介が島田の声を担当。「ナレーションは(見本として)最初、自分で吹き込んだが、蔵之介さんの読み方が素晴らしかった。直前に沖縄にも行ってくれ、空気を感じながら、演じてくださったんです」と秘話を明かした。

 戦況が悪化する中、「玉砕こそが美徳」とされた時代で、島田は周囲の人々に「生きろ」と言い続けた。「命に向き合うのは、時代に関係ない人間の尊厳の部分。時を越えて、投げかけていくものがたくさんある。映画を作りながら、今日的なテーマがいっぱいあると思った。リーダー論、官僚論、全体主義の中で個はどうあるべきか。逆らえない権力で、島田さんは歯向かったわけです。島田さんも国に忠実な官吏だったかもしれないが、命の尊厳に向き合う瞬間があったんだと思う」と話した。

 TBS ドキュメンタリー映画祭では、昨年大ヒットした「三島由紀夫vs東大全共闘 ~50年目の真実~」、是枝裕和監督がテレビマンユニオンの創設者でメディア・プロデューサーの村木良彦氏を描いた「あの時だったかもしれない ~テレビにとって『私』とは何か~」を始め、22作品を上映。21日までユーロライブにて開催。

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