58歳の武藤敬司がGHC奪取 試合中に感じた三沢光晴さんの後押し

レスリングマスターが奇跡の奪取だ。ノア10年ぶり46回目となる12日の東京・日本武道館大会で、GHCヘビー級選手権は挑戦者・武藤敬司が王者・潮崎豪を破り、ノアの至宝を初戴冠。第34代王者に輝いた。

ついにGHCを腰に巻いた
ついにGHCを腰に巻いた

唯一触れたことがなかったGHC

 レスリングマスターが奇跡の奪取だ。ノア10年ぶり46回目となる12日の東京・日本武道館大会で、GHCヘビー級選手権は挑戦者・武藤敬司が王者・潮崎豪を破り、ノアの至宝を初戴冠。第34代王者に輝いた。

 圧倒的不利の下馬評をはね返した。IWGPヘビー級、3冠ヘビー級など、日本に現存する名だたるベルトを腰に巻いてきた武藤にとって、唯一触れたことがなかったGHC。

「ちょっと老いぼれているけど、そんな俺だって夢を見たっていいだろ。俺の夢に付き合ってくれ」

 昨年末、そんな独特の言い回しで潮崎への挑戦を表明。58歳の武藤は満身創いの肉体で、残された大きな「夢」に向かった。

 新日本プロレス時代から使用していた「HOLD OUT」に合わせて入場。リングインすると、何度もロープの感触を確認する。ゴングが鳴ると、序盤戦はグラウンドの展開。その後、アキレス腱固めやフライングエルボーを放ち、次第にエンジンをかけていく。

 一方、潮崎は首固め、ヒザ爆弾、バックドロップ、DDTと、武藤の首に集中砲火。花道を使ってのDDTまで繰り出し、さらにはヘッドバットと執ように首を狙った。

 それをしのいだ武藤はシャイニングウィザード、ドラゴンスクリューの2連発からのアキレス腱固め、そして足四の字固めに移行しようとするが失敗。

 逆にフライングショルダーアタック、水平チョップの連打、ブレーンバスターと防戦一方の展開になる。

 だが、ここからが武藤の真骨頂だった。ドラゴンスクリュー、足四の字固めや閃光魔術を散りばめながら、勝機を見出していく。潮崎はムーンサルトプレスを誤爆。武藤は閃光魔術3連発を繰り出すと、故三沢光晴さんの必殺技エメラルドフロウジョンを発射。まさかの展開に、聖地・武道館にはファンによる重低音のストンピングが響き渡った。

 潮崎も王者の意地で、逆襲に転じる。しかし、武藤は、月面水爆もカウント2で返す。「(三沢さんも)もしかしたら俺の応援をしていた」。最後は、潮崎が豪腕ラリアートを狙ったところに、電光石火のフランケンシュタイナー。29分32秒、武藤が激闘を制した。

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