足立梨花「手話でアドリブもあった」 YouTube再生1000万回突破のMVの舞台裏

撮影では手話によるアドリブもあったという【写真:山口比佐夫】
撮影では手話によるアドリブもあったという【写真:山口比佐夫】

MVでは手話によるアドリブも「新しい世界だな、何かここで反応したい」

 撮影は丸1日で全て撮りきった。「真夜中を過ぎて、ラストシーンのところがクランクアップだったんですね。ただただ寒いのが大変ではあったんですが、HANDSIGNのお二人は本当に優しいし、気を遣ってくださるし、場を盛り上げてくださり、ちょっと冗談を言い合いながら撮影するような現場だったんで楽しかったですね」と振り返る。

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 ミュージックビデオには、なんと手話によるアドリブもある。「手話は事前に送っていただいた手話動画を見て、覚えていたんですけど、現場では、『もうちょっとこうした方がいいした方がいい』と言われて、その場で変えていくっていうのが結構面白くて、HANDSIGNさんのコンサートで会場に入って、『すごいね。かっこいいね』って手話する部分はアドリブ。会場にはHANDSIGNさんのファンの方がたくさんいらっしゃったんですね。耳が聞こえない方もたくさんいて、その方たちがみんなでその一緒になって、踊って楽しんでいる姿を見たときに、新しい世界だな、何かここで反応したいよねって、その場で一緒に作り上げていきました」。

 お気に入りのシーンは大学のベンチに座りながら「私に音楽を教えてよ」と手話で語りかけるものだ。「マジ、やばいとかいっているんですけど、(ヒロインの)わかなちゃん自身も楽しんでいる部分だし、私もすごく楽しかったです。手話はもちろんだけど、表情って大事なんだなと思いました。他の言語に対しての苦手意識があるんですけど、ハワイの入国審査なんかでも、笑顔で乗り切るみたいなことって、あるじゃないですか。伝えたいっていう気持ちが大事なんだと改めて知ったかもしれない」。

 コロナ禍では誰もマスクをするようになった。聴覚障害者には、それが一つの障害にもなっている。「表情が見えないですし、口の動きも分からない。だから、私たちの何百倍も疲れているんだろうなと思います。だからこそ、周りの方がケアしてあげてほしいです。そういうことも壁なく話し合える世界になればいいなと思いました」。

 足立は「Jリーグ名誉女子マネージャー」でもある。ちなみに、コロナ禍でのJリーグはどう感じているか。「『やべっちFC』が終わってしまったのが残念です。地上波でサッカーを見る機会がめちゃくちゃ減ったたんですよ。バラエティー感があって、サッカーを詳しく知らない人でも気軽に見られる番組だったはずなのに。それに、野球選手みたいにメディアで話せるサッカー選手が減ってきています。コロナ禍だからこそ、ライト層を取り込めるかって大事だと思うんです」と力説する。

次のページへ (3/3) Jリーグ名誉女子マネージャー「『やべっちFC』が終わってしまったのが残念です」
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