GHC王者・潮崎豪が激白 31分間ニラみ合った藤田和之戦の真実「視線をズラしたら負けだと思って」

藤田和之(左)とマット史に残る視殺戦を展開【写真:(C)CyberFight/プロレスリング・ノア】
藤田和之(左)とマット史に残る視殺戦を展開【写真:(C)CyberFight/プロレスリング・ノア】

30分以上のニラみ合いだった藤田和之戦

――とはいえ、1回の防衛戦が40分、50分が当たり前の試合になっていますけど、それを7回もタイトルをかけてやっているわけだから、それだけでも驚異的じゃないですか。

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「いえいえいえ。最初の初防衛戦は57分(47秒)だったんですけど、そのうち30分はニラみ合っていて。でも、それも自分だったからできたと思っているし、世界がこんな状況じゃなければできなかったんじゃないかとも思っていますしね」

――あの試合を藤田選手は「もし観客がいたとしても、30分ニラみ合っているだろう」って言っているんですよね。

「自分はその逆で、お客さんがいなかったからできたって思っていたんですけど、この間、年末(12月29日に後楽園ホールで)杉浦軍興行があって。そこで藤田選手とまた向かい合う試合になったんですけど、その時もまたニラみ合うことになったので、これって、もしお客さんがいてタイトルマッチをやったとしても、30分動かなかっただろうなあって思っちゃいましたね」

――潮崎さんは、試合後に「今までにない緊張感と威圧感があった」とコメントしています。

「自分の中ではニラみ合いの時に視線をズラしたら負けだと思っていました。それと、その場所から動いても負けだっていう……、やっぱりAB型だからなんですかね?(笑)」

――そんな考え方をするのは、確かにAB型だからかもしれない(笑)。

「だから(プロレスとは)違う勝負論、勝負感を持って行っちゃって、30分動かなかったっていうのはありますね」

――藤田選手は冗談で「立っているだけでギャラをもらった」って言っていましたけど(笑)。

「(ニヤッと笑う)」

――決してそんなことはなくて、もの凄いエネルギーのぶつかり合いでしたよね!

「動いてはいないんですけど、体力は相当、消耗しましたね。威圧感に押されるからそれに負けられないし。それで引いちゃったら負けになっちゃうんでね。だから違う勝負ができましたね」

――笑うと負けよ、じゃないですけど、そんな感じ?

「もう(そんな感じで)、目を離すとか、ピクッて動いちゃうだけで負けだと思っていたので。あれは自分の中でも経験したことのない闘いでした」

――闘った2人にしか分からない世界だったでしょうね。

「映像を(リアルタイム中継で)見ていた人たちからは、後から『あれ? ケータイが壊れているかと思った』って言われましたけど、それだけ目が離せない状態になって良かったなっていう気持ちはありますね」

――試合中に「これ、どこまで行くんだろう?」と思ってはいないんですか?

「いや、まあ、向こうがその気ならいいよって。60分でもやっていたと思いますし」

――「その後、俺の攻撃を全部受けた」と藤田選手は言っていました。

「受けたくないですけどね(苦笑)。でも、自分がチャンピオンとして立って、あれも受けてこれも受けて、でも最後に立っているのは! っていうのがGHCのヘビー級チャンピオン像なので、そこに行き着かないと、負けたも同然になってしまうと思ったんです。だからこそ、藤田和之の攻撃には屈しないと思ったんですよね」

――これは見る側の意見ですけど、藤田選手の攻撃ってエグいじゃないですか。

「張り手、ビンタにしてもそうですし、そもそも手の厚みが違うんですよね。その手で張られるわけですから効きますし、受けたことのないような技を受けたので。ホントあれで何回か意識が飛んでいますからね」

――意識が!?

「それぐらい衝撃でしたね。でも、あればっかりは最初の30分のニラみ合いのおかげかなと。その後の攻撃に耐えられたのも。あれがもし藤田和之じゃなくて、違う選手だったらまた違ったと思いますし。どんな攻撃を食らっても、こんな攻撃じゃ負けねえぞっていう気持ちがありましたね」

――藤田選手は、「猪木イズム最後の継承者」と呼ばれた方なんですけど、試合前にはそういう目で見たりしたんでしょうか?

「もちろん、そう呼ばれていたことは知っていますけど、あんまり考えなかったですね。もしそう考えたとしても、闘い方が変わるわけじゃないし。だったら自分が培ったものをぶつける、培ったもので闘うっていうことしかないですね。猪木イズムが相手だからってことは頭になかったですね。その闘いもGHCの闘いなので」

――これは想像なんですけど、藤田戦を終えた段階で、何か変わったんじゃないかと思っているんです。

「より一層、ノアに対する気持ちとGHCに対する気持ちっていうのが揺るがないものにはなりましたね。より強くなりましたよ。今までで、俗に言う外敵っていうような選手とやることってあまりなかったので、それをタイトルマッチでやって、しかも無観客でやって、よりチャンピオンとしての責任を問われることになるじゃないですか。そこを超えた時に、ノア、そしてGHCというものに、より思いを込められるようになりましたね」

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