長州力はなぜ若者の心をとらえたのか 「ハッシュドタグ」「飛ぶぞ」流行語連発を本人に直撃

ネットの影響力に怖さも

 SNSではファンとの交流も魅力の1つだ。長州も「やっぱり反応を見ることができるところですよ。その反応が自分なりに分かる」と楽しんでいる。同時に、ネットの怖さも感じている。

「影響力っていうのはすごいんだろうな。だから怖いんだよ。ちょっとした失敗で完全にはじかれる」

 書き込みは、すべてが支持されるとは限らない。また、最近では、わざと炎上をあおったり、話題作りのための強引な企画を実施するSNSユーザーも目立つ。長州は「今、YouTubeは気をつけてやらないと。本当に気をつけてやらないと。渋谷の交差点にふとん持って行ってったり、墓に上ったり、なんなんだろう」。他人事ながら、心配になっている。

 もっか、目標は1日1投稿。どれだけ周囲が騒ごうと、マイペースを貫く。

「俺はレールを長くいっぺんに敷いていくのは、たぶん、無理だから。ちょこっとずつ、レールをはめていく」。スタッフの助言に耳を傾けながらのSNS生活は、「きちんと道を正しく歩いてはいけてるよね」と、今のところ順調だ。

 今後は、妻と一緒にパソコン教室に通うことも考えている。「パソコンちょっと覚えようと思って。家内はパソコンの機能、ちょこっと分かっているみたい。だから学校行こうって。2人で行って教えてもらおうかな」

 谷口氏は、この1年間の“長州力現象”をこう振り返る。

「プロレスラーなんですよね。含んでいるものもあるし、体に染みついたものがある。彼に関しては決して一線は超えないという信頼感もマネジメント側にもあるので自由にやってもらっています。僕たちを介してフォロワーに届けても全く面白くないと思いますので、本人とフォロワーをできるだけダイレクトにつなげることだけ考えていました。戦略的に考えてやっていると、目も当てられないくらい大コケしていると思いますよ。これまで広告案件もいくつかありましたが、これも本人の自由。それを許してくれたクライアント様の度量に感謝しています」

 本能のSNSが、令和の若者の心をがっちりつかんだ長州。2021年も、さまざまな話題をふりまいてくれそうだ。

□長州力(ちょうしゅう・りき)1951年12月3日、山口県徳山市出身。本名:吉田光雄。専修大学時代にレスリングで活躍し、1972年のミュンヘン五輪出場。73年、新日本プロレス入門。74年8月8日、エル・グレコ戦でデビュー。82年、「俺はお前のかませ犬じゃない」と藤波辰巳にかみつき、数々の「名勝負数え歌」を繰り広げる。IWGPヘビー級王座奪取、G1クライマックス優勝などを成し遂げ、98年1月4日、東京ドームで現役を引退。しかし、2000年7月30日、大仁田厚との有刺鉄線電流爆破マッチで現役復帰。19年6月26日、後楽園ホールで現役を引退した。現在はテレビ番組出演などタレントとして活躍する一方、YouTubeチャンネル「長州力【公式】RIKI CHANNEL」を開設。184センチ、120キロ(現役時)。

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