コロナ禍でK-POPが世界を席巻…取材者が見た「BTS」成功の要因とは【編集部座談会】

“おうち時間”でSNSの在り方にも変化が…

リサ:自分は「あつ森」はやってないんですが、自宅でYouTubeを見る回数は以前より格段に増えたと思います。今年はBTSやBLACKPINKなどK-POPの世界的な活躍が目立ちましたが、背景にはコロナ禍による巣ごもり需要、それによるK-POPの再発見があると思います。それにしてもBTS「Dynamite」の米ビルボード「HOT100」チャート1位は快挙でした。しかも、次いで同じく1位になった「Life Goes On」って韓国語の楽曲ですから。ポピュラー音楽の世界標準はシンプルなコードの繰り返しと分かりやすい歌詞のヒップホップ。そこのところを意識した音楽の世界的流行の流れに素直に乗っていったことが成功の要因の1つかもしれませんね。

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くま吉:これまで欧米マーケットを意識して進化し続けてきたK-POPの積み重ねを感じましたね。「黒船」なんて呼ばれた少女時代の初来日から10年も経ったんですね。ここまでの進化と差を見せつけらたらリサさんのおっしゃる“素直に乗る”というキーワードが、意外と重たく響きます。

リサ:一方、日本のポピュラー音楽シーンでは、米津玄師、あいみょん、Official髭男dism、坂道系アイドルがマーケットを席巻しました。

くま吉:米津やLiSA、あいみょん、ヒゲダンなどは、いまや日本の音楽シーンになくてはならない存在になりましたよね。一方で瑛人の「香水」のような、小さなライブハウスで歌っていた無名のシンガーの曲がTikTokから爆発的に広がり、あっという間に市民権を得て、紅白の切符まで獲得するという……。アメリカでは、TikTokから火が付いたリル・ナズ・Xが、19年にグラミー賞2部門を受賞し、以降もTikTokから生まれた無名のアーティストがチャートを駆け上がるケースが出てきていますが、日本でも、この先さまざまなジャンルでそういった現象が起こっていくんでしょうね。

編集N:コロナ禍となった今年は、思うように、芸能活動ができず、これまで、SNSをやってこなかった芸能人も、インスタやYouTubeチャンネルなどに力を入れるようになったと思います。YouTubeチャンネルを開設しただけでニュースになるような大物芸能人もいました。日本テレビの水卜麻美アナウンサーは自身のインスタグラムで、ランチ会を開き話題になりましたね。「在宅お昼タイムの楽しみになりました」という声も聞かれました。また、多くの芸能人の方が作った料理の写真をインスタに投稿していたのも印象的です。おうち時間をいかにして楽しむのか、とても参考になりました。

まんたろー:AKB48は、年初にYouTube挑戦を発表。自粛期間中は、エア握手会動画、おうち劇場公演を配信するなど、試行錯誤してファンとの交流を継続してきました。また、当たり前だった劇場公演も自粛する期間があったため、メンバー個人がYouTubeやSHOWROOMでオリジナルの企画を発信するなど、自己プロデュースの能力の重要さを感じた1年でした。

次のページへ (3/3) 「若い人の多くは、この状況をむしろチャンスだと捉えている」
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